魚類学会 そして対馬調査
文責:山崎
さる9月末,山口県下関にて魚類学会が開催された。1か月前に進化学会に参加したばかりで,2か月連続で学会記事かよ〜と思われる方もきっといるはずだから(それに私も反省記事ばかりはいやなんだ!),今回は対馬での調査の話に重きを置こう。
そもそも,なぜトピックが2つもあるのかということだが,今年の魚類学会の開催地を思い出してほしい。そう,山口県だ。そして,この地は臼尻を卒業された偉大なるOG:木村幹子博士の職場である対馬と眼と鼻の先の距離ではないか!(※注:北海道から見た場合に限る)
いかにもカジカの少なそうな場所であるが、ここも分布域には入っているのだ。
調査メンバーは,我らが隊長:宗原先生と,美味しい料理しか作ることのできない嗣厨長:古屋先生に,カジカおよび美味しそうな魚採集担当の安房田先生,佐藤のりおさん,木村さんに,兵隊の私だ。
今回は残念ながら佐藤長明さん、OBの慶多さんは急遽不参加に。
学会開催の前日に福岡入りしてから、翌日山口の下関へ。
博多から下関まで、電車で移動したのだが、山口―下関間あたりになると、ポスターの筒を持つ人やら魚がプリントされたTシャツを来ている人たちが指数関数的に、そう、爆発的に増加した。
今回の学会の感想は、何と言っても聞きたい発表(口頭・ポスター)が聞け、質問することもでき、内容をちゃんと理解できた、さらに自分の研究についてのアドバイスも得られたことだろうか。
ごくごく当たり前のことではあるけど(前回の進化学会が本当に辛かったってこともあるだろうけど)、訳がわからず参加してた昨年よりも成長できたかなと思えたことが一番の収穫かもしれない。それに楽しいと思えることも重要だ。きっと私自身のモチベーションを維持・向上させてくれる一番のイベントなんだろうな。
そして、山口、下関と言えば… ふぐ!
もちろん懇親会でのメインディッシュだ。フグの刺身、からあげ…しか思い出せないけど、とにかくおいしかったと記憶している。
学会でしかお会いできない先生方や、他大学の学生たちと思う存分会話を楽しみ、翌日のシンポジウムに午前中だけ参加して、対馬へ向けていざ出発!木村さん、佐藤さんは現地集合のため、学会に参加した4名で対馬に向かう。
なんと、福岡から対馬までは飛行機でたったの30分の距離。離陸して、シートベルトのサインが消えたと思ったら、すぐに着陸態勢に入りますとの放送が。さすが、対馬。
飛行機を降り、手荷物を受け取って外に出ると、そこには伝説のOG:木村さんの姿!以前と変わらぬお元気そうな様子で私たち調査隊をお出迎えしてくださった。
レンタカーを借りて最初に向かったのは、現地ダイビングショップ。そこでもまた、夕方対馬に到着してから4時間ほど、ショップのオーナーと時間をつぶされていた佐藤さんが少し疲れた顔で私たち調査隊をお出迎えしてくださった。4時間も、本当にお疲れさまでした。
これで全員がそろい、翌日以降の調査地点の計画を立てる。今回はボートダイビングもするとのことで、楽しみだ!
当然のごとく、学会、調査となれば毎日が飲み会だ。休肝日なんて言葉はこの時ばかりは辞書から消えてなくなってしまうのだろう。ビールに焼酎に、あっという間にアルコールがなくなってしまう。
今回の調査の拠点は「クラブハウス」という民宿?だったのだが、ここのオーナー、私たちが酒飲みだと知ってか知らずか、毎日ほこりをかぶった焼酎(開いたのから未開封のやつまで)をちょくちょく足してくれていたようだ。
「あれ?こんな焼酎買ったっけ?」 「置いてあるんだから、飲んじゃっていいでしょ」 「お金払えって言われてから払えばいいんだよ」
ということで、「天使の誘惑」と書かれた怪しげな焼酎以外は調査期間中に全部空にした。4日間の飲み会で5,6本は空けただろう。
※お金は結局払わなくて良かったみたい。オーナーの優しさ(?)に感謝。

快適な潜水調査を支えてくださった古屋先生のおいしいおいしいご飯!
ちょうどよい塩加減で、明日もカジカ獲るぞーっ!!というくらい元気の出る料理ばかり。机に出してある料理だけではなく、料理が減ってきたところで次々、新しいお皿が運ばれてくるのです!
カンパチ、ヒラマサ、太刀魚、アカハタ、シロギスと豪勢なメンツばかり。ちなみに、食卓に上った30cm弱のアカハタは、カジカを捕まえられなかった腹いせに私に捕まえられたかわいそうな子。
どんな魚が捕れたとか、どんな海だったか述べる前に伝えたいことが一点。飲み会とご飯の話を先に持ってきたことは置いておいて。
臼尻の潜水環境がどれほど整っていることか!
機材を準備して、スロープ沿いに海の真ん前まで運び、セットして潜降開始。ポイントもすぐ近くだ。臼尻ではこれが当たり前。
けど、それは普通ではなかった!と思い知らされた。
今回の調査での最初のポイントは、機材を準備した場所は臼尻ほどではないが、それでも海水浴場によくある階段でわりと近場。準備して潜り始める。どこまで行くのかな〜と思ったら潜降開始。しかし、このあとがきつかった!
泳いで泳いで…さらに泳いで…もっと泳ぐ。もうかれこれ10分くらい泳いだんじゃなかろうか。
と、目の前に立派なテトラポットが!おお〜!ここは絶対何かいる!と意気込み、カジカを探すも見当たらない。さらにまた先へと進みはじめるガイドに続き、今度はサンゴがいっぱいのポイントに。
ああ、カサゴと熱帯魚しかおらんよ…。
結局1本目にカジカを捕まえてきた優秀な隊員は安房田さんだけだった。しかもかなりの数!これは負けていられない。
(撮影:安房田さん)
今回採集されたカジカの大半を占めた「オビアナハゼ」。第一背びれ後端の青い斑点がよく目立つ。今回の調査では、アナハゼ類、スイ、サラサカジカの仲間を合計2Lボトル2本分、採集することができた。
お昼ご飯をお腹いっぱい食べて、休憩してから2本目の準備に取り掛かる。
2本目以降は安房田さんの助言通り、藻場を隈なく探し、ほぼ全員カジカを捕まえることができた。
そして、1日目、2日目とぼうずを貫き通されていた佐藤さんは、それまでの失態を反省したかのごとく、最後の最後に1本の潜水で10匹ものカジカを捕まえるというものすごい快挙を成し遂げ、潜水調査は幕を下ろした。

(撮影:安房田さんカメラ)
ウオレンジャー隊員と隊長。
ウオレンジャー発足前に当実験所に所属していた安房田さんもさすが、全く違和感なしです!

そしてこれが今月号の表紙に採用された写真(左)。
熱帯魚の群れと奥にいる宗原隊長(右写真では中央にタンクと泡が見えるはず)。今回の調査で一番撮りたかった絵だ。
調査中に写真なんか撮るな!と怒られるんじゃないかと、内心びくびくしながら無事収めた一枚。


ボートダイビングにて、沖へ出発!写真左は調査に協力してくださったガイドさん。注目すべきはブーツ代わりに靴下の木○博士。

潜水調査終わりの2日前。
連日の調査で疲れが滲み出ている先生は佐藤さんのお茶目攻撃を前(後ろ?)になす術がなかった…。
最後に集合写真。民宿クラブハウスにて。

(写真:安房田さん)
みなさん、お疲れさまでした!
そして宗原先生、調査に連れて行ってくださりありがとうございました!!