昆布バイト2013

文責:風間




午前
3時。まだまだ太陽も昇らない時間だが、臼尻漁港は灯りが煌々と焚かれ活気に満ちている。

ここ、函館市南茅部町はコンブの産地。特産である『白口浜真昆布』は、江戸時代から幕府や朝廷への献上品として名を馳せ、現在でも市場では高級昆布として取り扱われています。

当然この地域はコンブ漁を生業とされている漁師さんが多く、また、コンブ漁を手伝う方々が多いため、水揚げ時期である6月下旬から8月下旬にかけては、お店の営業時間が変更になる、高校が逆サマータイム (!?) を導入する…など、街全体がコンブ漁に合わせた仕様になります。

私も7月から8月半ばまで、コンブ漁のお手伝いをさせていただきました。

コンブ漁の丘作業工程をざっくり紹介すると…

水揚げされたコンブを、機械で洗浄し、ワニピンチ (アルミ製の強力な洗濯バサミのようなもの) でつまみ、それらを吊して干し、乾燥させます。

これらの各工程を何人かで分担して流れ作業で行っています。

   

昆布洗浄機                        ワニピンチ                          乾燥場

私が主に担当するのは洗浄されたコンブを運んでワニピンチでつまむ作業。

一見簡単で楽な作業に思われがちですが…これが意外とハードでして。

まずコンブ漁のお手伝いはとにかく朝が早い。というか太陽が昇ってないので朝じゃない、深夜だよ…。とにかく、3時には仕事が始まる。よってこの期間は10時就寝2時起床。修道女に引けを取らない生活スタイル。

そしてコンブがかなりくせ者。コンブのヌルヌル成分でピンチをつけるのに苦労したり、ピンチを持って力をかけた瞬間吹っ飛んでいったり。慣れるまで前後の工程を担当してくださっている方々を何度待たせてしまったことか…。

しかし、作業を覚え慣れてしまえばこっちのもの。ピンチでつまむ作業以外にも、コンブを機械にかけて洗浄したり、ピンチでつまんだコンブを吊したり…と各工程をお手伝いできるように。

こうやってしっかり働ける頃には、すでにコンブシーズンも終わり。

怒濤だけど貴重な、そんなお手伝い期間でした。

仕事の合間や終わりには、コンブ養殖や製品作りについてちょこちょこお話を聞かせてもらいました。

コンブ養殖はただ海に吊している…って訳ではなく、間引き、養殖施設の掃除、棚の調整など、年間を通して細やかに調整しているそうです。

『海に出ないとコンブのこと分からないからね。時化以外は毎日海に行くよ』と笑いながら話してくださいました。

また、製品作りに関しては、丘作業での細やかな配慮、選別の方法、高品質を保つ方法などを丁寧に教えてくださいました。

コンブの端を切る作業を見せてもらっていたら

『切れ端、色が違うでしょ?これで値段が違うのよ』と。

赤い方が『あかっぱ』で、黒い方が『くろば』。

名前はそのままですが、価格は黒い方が高いです。

臼尻にいると身近なコンブ漁、けど、普通にいたら知らないことだらけで本当に勉強になりました。

この場を借りてですが、手伝いをさせてくださった二本柳さん、紹介してくださった嵐田さんに感謝申し上げます。



コンブが始まると、夏。コンブが終わると、秋。

そんな臼尻の夏でした。

 

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