
カサゴ目 カジカ科
ヤセカジカ Radulinopsis derjavini Soldatov &
Lindberg, 1930
(撮影:阿部)
キマダラヤセカジカとほぼ同所的に生息するが、本種の場合はやや転石の多い場所を好むようだ。交尾を行い、雌が卵保護する。キマダラヤセカジカのように卵塊を完全に砂で埋めずに、岩の窪みや砂との縁に産卵し、伸びた唇を使ったサッキングによって新鮮な水を卵塊全体へ供給する。産卵期はおおよそ5-7月だが、本種の雄は成熟が著しく早く、稚魚が着底してわずか2ヶ月ほどで成熟して交尾を始める。交尾期は9月から翌年6月末まで続けられる。本種の場合、雌よりも雄が小型となり、雌の隙をうかがったような短時間の交尾が連続して行われる。雄は精子束(束状の精子)を生産・放出し、それらは雌の卵巣内でほどけて泳ぎだす。その後精子は卵巣腔内で、排卵までの長期間待機することになる。今後調査すべき事項は多い。(調査中)

サッキング中の雌。吸盤状に伸びた唇を卵塊にぴったりあて、卵塊内部の水を吸引する。
卵塊表面には砂が付着しており、周囲の砂とほとんど見分けがつかない。

中央の大きな個体が雌で、上に乗っているのは雄。いっぺんに3匹が交尾しようとしている。
追い払われてもしつこく雌に付きまとい交尾しようとする雄には脱帽である。
ときに複数の雄が加わることがある。
臼尻Top
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