撮影:宗原(1011月)

脊椎動物門 脊椎動物亜門 条鰭綱 カサゴ目 ギンダラ科

ギンダラ Anoplopoma fimbria (Pallas, 1814)

 

 最大体長が1メートルを超える大型の魚で、カリフォルニアから北海道以北の北太平洋の水深300?600mの深海に分布します。日本近海ではほとんど水揚げされていませんが、アラスカなどで漁獲された魚が出回っています。しかも、それらは、切り身や頭を落とされた半身で売られるため、丸ごとの姿を見る機会はほとんどありません。臼尻実験所でもギンダラの採集記録は、この10年以上ありませんでした。一見するとタラの仲間のように見えるためギンダラと名付けられていますが、実際はカサゴ目でアイナメ科に近いことが形態および遺伝マーカーを使った研究から明らかになっています。

 ギンダラの形態上の大きな特徴は、写真の個体が実験所に来るまでを綴った笑えない悲話「金のタラ、銀のタラ」にあるように、基底部が大きく離れた2つの背鰭が特徴です。ちなみにタラ科は3つ、アイナメ科は長い基底で連続した一つの背鰭を持っています。

 

 「金のタラ、銀のタラ」

 タラ釣りに出かけた正直者の中年男がもう少しというところでタラを獲り逃がしてしまいました。そこへ、海の精が出てきて、

「あなたの逃がしたタラはこのタラですか?」と金色のタラを見せました。そのタラは色素の変異で、黄色く見えるだけのスケトウダラでした。

 そのタラを見て、正直者の中年男はすぐに答えました。

「そのタラは私が釣り上げそこなったタラではありません。」

 海の精は次に銀のタラを見せて

「あなたの逃がしたタラはこのタラですか?」とさっきと同じことを尋ねました。

 そのタラは、脂がのって、いかにも美味しそうなギンダラでした。

 すると、中年の男は、目を大きく見開いて、

(こんなところにギンダラがいるはずがない)と思いつつも、生ツバを飲み込み、

「それです。それです。私が逃がしたタラは!」と喜々として答えました。

海の精は、みるみる顔を赤らめ

「嘘をつくな!これはあなたが釣り損なったタラではない。その証拠に背鰭が2つしかないではないか。」

 それから、海は大時化となり遭難しそうになったところで、目が覚めました。寝間着と枕は冷や汗でびっしょりと濡れていました。

 こんな夢を見た翌日、うすじりの漁業協同組合からタラでもホッケでもない見たことがない魚がスケトウダラと一緒に獲れたと連絡があり、駆けつけると写真のギンダラが魚箱に入れられていたとさ。めでたし、めでたし。




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