○国立大学法人北海道大学における研究活動上の不正行為に関する規程
平成19年7月23日
海大達第221号
(目的)
第1条 この規程は,国立大学法人北海道大学(以下「本学」という。)における不正行為の防止及び不正行為があった場合の措置に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この規程において「役職員等」とは,次の各号に掲げる者及びこれらの者であった者をいう。
(1) 役員及び職員
(2) 学部学生,大学院学生,聴講生,科目等履修生その他の本学において修学している者
(3) 研究生,受託研究員その他の本学において研究に従事している者
2 この規程において「不正行為」とは,研究活動上の行為であって,捏造(存在しないデータ,研究結果等を作成することをいう。),改ざん(研究資料,機器及び過程を変更する操作を行い,データ,研究活動によって得られた結果等を真正なものでないものに加工することをいう。),盗用(他の者のアイデア,分析方法,解析方法,データ,研究結果,論文又は用語を,当該者の了解又は適切な表示なく流用することをいう。)及びこれらの行為の証拠を隠滅し,又は立証を妨げるものをいう。ただし,故意によるものでないことが根拠をもって明らかにされたものを除く。
3 この規程において「部局等」とは,産学連携本部,人材育成本部,創成研究機構,国際本部,高等教育推進機構,各学部,病院,各研究科,各学院,各研究院,公共政策学教育部,公共政策学連携研究部,各附置研究所,附属図書館,各全国共同利用施設及び各学内共同教育研究施設等をいう。
(役職員等の責務)
第3条 役職員等(前条第1項各号に掲げる者に限る。)は,倫理観の涵養及び保持に努めるとともに,不正行為を行ってはならない。
(総長の責務)
第4条 総長は,本学における不正行為の防止等に関する総括を行うものとする。
(理事の責務)
第5条 本学における不正行為の防止及び不正行為があった場合の措置に関しては,総長が指名する理事(以下単に「理事」という。)に担当させるものとする。
2 理事は,役職員等が不正行為を行った場合には,関係理事と連携して厳正に対処するものとする。
3 理事は,本学における不正行為を防止するための適切な措置を講じるとともに,本学における不正行為の防止に関する事項を担当するものとする。
(部局等の長の責務)
第6条 部局等の長は,当該部局等における不正行為を防止するための適切な措置を講じるとともに,当該部局等における不正行為の防止に関する事項を担当するものとする。
(申立て及び情報の提供)
第7条 何人も,本学において不正行為があることを疑うに足りる事由を知ったときは,当該不正行為の事実を調査させるため,総長に対し,当該不正行為に関する申立てをし,又は情報の提供を行うことができる。
(申立ての方法)
第8条 前条の申立ては,原則として次に掲げる事項を明らかにした書面を次条第1項の窓口を経由して提出することにより行うものとする。
(1) 申立てをする者の氏名又は名称及び住所
(2) 不正行為を行った疑いがある役職員等(以下「被申立者」という。)の氏名
(3) 不正行為の態様及び内容
(4) 不正行為とする科学的かつ合理的な理由
(5)
第10条の規定により氏名,住所その他の申立てをした者を識別することができる事項を明らかにしないことについての希望の有無
2 前項の書面の提出は,郵便を利用する方法,ファクシミリを利用してする送信の方法又は電子メールの送信の方法により行うことができるものとする。
(不正行為申立て窓口)
第9条 本学に,申立てを受け付けるため,不正行為申立て窓口(以下「窓口」という。)を設置する。
2 窓口は,弁護士である者に委嘱するものとする。
3 窓口は,前条第1項の規定による申立てを受けたときは,同項の書面を理事に送付するものとする。
(氏名等の秘匿を希望した申立者)
第10条
第8条第1項に規定する申立てをした者は,その希望により,窓口として委嘱された者以外の者に氏名,住所その他の当該申立てをした者を識別することができる事項を明らかにしないことができる。
2 次条第1項に規定する情報の提供を行った者は,氏名,住所その他の当該情報の提供を行った者を識別することができる事項を明らかにしている場合には,その希望により,当該情報の提供を受けた者,理事及び窓口として委嘱された者以外の者に氏名,住所その他の当該情報の提供を行った者を識別することができる事項を明らかにしないことができる。
(情報の提供)
第11条
第8条第1項に規定する書面によらないで,又は
同項に規定する窓口を経由しないで,本学に対し不正行為に関する情報の提供があった場合には,当該情報の提供を受けた者は,速やかに当該情報の提供を受けた旨を理事に通知するものとする。
2 理事は,前項の規定による通知を受けた場合で,同項に規定する情報の提供を行った者が氏名,住所その他の当該情報の提供を行った者を識別することができる事項を明らかにしているときは,
第8条第1項各号に掲げる事項を確認するものとする。
(予備調査委員会による調査)
第12条 理事は,
第9条第3項の規定による書面の送付を受けたとき,又は前条第1項の規定による通知を受けた場合において同項の情報の提供が合理性を有する内容のものであると認めるときは,被申立者の所属する部局等の長(被申立者が第2条第1項各号に掲げる者であった者である場合にあっては,当該被申立者が申立て又は情報の提供(以下単に「申立て」という。)に係る研究を行った際に所属していた部局等の長をいう。以下同じ。)(当該部局等の長が被申立者である場合にあっては,当該部局等の教員のうちから理事が指名する者とする。以下この条から第15条までにおいて同じ。)に通知し,調査を行わせるものとする。
2 部局等の長は,前項の規定による通知を受けたときは,速やかに当該部局等に不正行為予備調査委員会(以下「予備調査委員会」という。)を設置し,同項の調査を行うものとする。
3 予備調査委員会は,次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 被申立者の所属する部局等の長
(2) 被申立者の所属する部局等の長が指名した当該部局等の教員 若干名
(3) その他被申立者の所属する部局等の長が必要と認めた者
4 予備調査委員会の委員長は,被申立者の所属する部局等の長をもって充てる。
5 第1項の調査は,次に掲げる方法により,申立ての内容の合理性及び客観的な資料により検証することができるかどうかについて調査するものとする。
(1) 申立者(第7条の規定により申立てをした者であって,氏名,住所その他の当該申立てをした者を識別することができる事項を明らかにしているものをいう。以下同じ。),被申立者その他の関係者(以下「関係者」という。)からの証言の聴取
(2) 申立てに係る不正行為を疎明するに足りる実験ノート,実験記録その他データ等の検証
(3) 申立てに係る不正行為に関する研究報告の原稿,発表記録等の検証
(4) 申立てに係る研究に関する資金の検証
(5) その他予備調査委員会が必要と認めた方法
(予備調査結果報告書の作成等)
第13条 部局等の長は,前条第1項の規定による通知を受けた後概ね30日以内に同項の調査を終了し,速やかに次に掲げる事項を記載した予備調査結果報告書を作成し,これに,申立てに係る不正行為に関する資料を添えて理事に提出するものとする。
(1) 予備調査委員会の委員の職名及び氏名
(2) 不正行為に関する資金
(3) 調査の概要
(4) 関係者の証言の内容の概要
(5) 被申立者の弁明の内容
(調査委員会による調査)
第14条 理事は,前条の予備調査結果報告書の提出を受けたときは,調査を行うかどうかを速やかに決定するものとする。
2 理事は,前項の規定による調査を行うことを決定したときは,速やかに本学に不正行為調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置し,当該調査を行うものとする。
3 理事は,第1項の規定による調査を行うことを決定したときは,その旨を,次に掲げる者に書面により通知するものとする。この場合において,理事は,
第10条の規定により氏名,住所その他の申立者を識別することができる事項を明らかにしないことを希望した申立者に対し通知するときは,窓口を経由して行うものとする。
(1) 申立者
(2) 被申立者
(3) 被申立者の所属する部局等の長
(4) 被申立者の所属する機関の長(被申立者が第2条第1項各号に掲げる者であった者である場合を除き,被申立者に当該機関に所属する者がある場合に限る。以下同じ。)
(5) 資金配分機関の長(申立てに係る研究に対し資金の配分を行った機関の長をいう。以下同じ。)(当該研究が当該機関から資金の配分を受けて行われた場合に限る。以下同じ。)
4 理事は,第1項の規定による調査を行わないことを決定したときは,理由を付してその旨を申立者に通知するとともに,前条の規定により提出を受けた予備調査結果報告書及び申立てに係る研究に関する資料を保存し,申立者及び資金配分機関の求めに応じ開示するものとする。この場合において,理事は,
第10条の規定により氏名,住所その他の申立者を識別することができる事項を明らかにしないことを希望した申立者に対し通知するときは,窓口を経由して行うものとする。
(調査委員会)
第15条 調査委員会は,次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 理事
(2) 被申立者の所属する部局等の長
(3) 被申立者の所属する部局等の教員 若干名
(4) 被申立者の所属する部局等以外の教員であって,申立てに係る研究に関連する研究に従事する者 若干名
(5) 弁護士,弁理士等の学外の有識者 若干名
(6) その他理事が必要と認めた者
2 前項第3号から第6号までの委員は,理事が委嘱する。ただし,同項第3号及び第4号の委員の委嘱は,被申立者の所属する部局等の長の推薦に基づくものとする。
3 調査委員会に委員長を置き,理事をもって充てる。
第16条
第14条第1項の調査は,申立てに係る研究に関する論文,実験ノート,観察ノート,データその他の資料の検証及び関係者の証言の聴取により行うこととする。
2 調査委員会は,被申立者に対し,申立てに係る研究に関する実験等を行うことを要請することができる。この場合において,当該実験等を行うために必要な期間を与えるよう配慮するものとする。
3 本学は,調査委員会が被申立者に対し,前項の実験等を行うことを要請した場合には,当該実験等を行うために必要な経費,場所等を提供するものとする。
(調査委員会による認定)
第17条 調査委員会は,
第14条第1項の調査の開始後概ね150日以内に,不正行為に該当するかどうかについての認定を行うものとする。
2 前項の認定に際しては,次に掲げる事項を明らかにするものとする。
(1) 不正行為の内容
(2) 不正行為に関与した者及びその関与の度合い
(3) 論文等の盗用があった場合には,盗用した論文等及びその著者等
(認定結果の報告)
第18条 理事は,前条第1項の規定により調査委員会が認定を行ったときは,当該認定の結果を速やかに総長に報告するものとする。
(認定結果の通知)
第19条 総長は,前条の規定による報告を受けたときは,書面をもって,次の各号に掲げる者に対して認定の結果を通知するものとする。この場合において,総長は,
第10条の規定により氏名,住所その他の申立者を識別することができる事項を明らかにしないことを希望した申立者に対し通知するときは,窓口を経由して行うものとする。
(1) 申立者
(2) 被申立者(被申立者以外で不正行為に関与したものと認定された者を含む。以下同じ。)
(3) 被申立者の所属する部局等の長
(4) 被申立者の所属する機関の長
(5) 資金配分機関の長
(調査を行う者から除外する者)
第20条 申立者又は被申立者と利害関係を有する者は,予備調査委員会及び調査委員会の委員となることができない。
(不服申立て)
第21条
第14条第1項の調査の結果,不正行為として認定された被申立者は,理事に対し,
第19条前段の規定による通知を受けた日の翌日から起算して30日以内に,当該認定についての不服申立てをすることができる。
(不服申立ての方法)
第22条 前条の不服申立ては,次に掲げる事項を明らかにした書面を提出することにより行うものとする。
(1) 不服申立てをする者の氏名又は名称及び住所
(2) 認定の内容
(3) 再調査を必要とする科学的かつ合理的な理由
2 前項の書面の提出は,郵便を利用する方法,ファクシミリを利用してする送信の方法又は電子メールの送信の方法により行うことができるものとする。
(不服申立ての通知)
第23条 理事は,
第21条の不服申立てを受けたときは,その旨を次に掲げる者に書面により通知するものとする。この場合において,理事は,
第10条の規定により氏名,住所その他の申立者を識別することができる事項を明らかにしないことを希望した申立者に対し通知するときは,窓口を経由して行うものとする。
(1) 申立者
(2) 被申立者
(3) 被申立者の所属する部局等の長
(4) 被申立者の所属する機関の長
(5) 資金配分機関の長
(認定についての再調査)
第24条 理事は,
第21条の不服申立てを受けたときは,当該不服申立てに係る認定についての再調査を,
第14条第1項の調査を行った調査委員会に行わせるものとする。ただし,理事が公平性を確保するため必要と認めたときは,調査委員会の委員のうち,
第15条第1項第3号から
第6号までの者の全部又は一部の者を変更することができるものとする。
2 調査委員会は,再調査を行うに当たっては,不服申立てをした者に対し,
第14条第1項の調査の結果を覆すに足る資料の提出その他当該事案の速やかな解決に必要な協力を求めるものとし,不服申立てをした者が必要な協力を行わないときは,再調査を行わず,又は打ち切ることができる。
(再調査による確認又は認定)
第25条 調査委員会が再調査を開始した場合は,不服申立てを受けた日から概ね50日以内に再調査を終了するものとする。この場合において,調査委員会は,再調査の結果,最初の認定を正当と認めるときは,これを確認するものとし,不当と認めるときは,最初の認定を修正し,又はこれに代えて新たな認定を行うものとする。
(再調査による確認又は認定の結果の報告)
第26条 理事は,前条の規定による確認又は認定の結果を速やかに総長に報告するものとする。
(再調査による確認又は認定の結果の通知)
第27条 総長は,前条の規定による報告を受けたときは,
第23条各号に掲げる者に対して,確認又は認定の結果を書面により通知するものとする。この場合において,総長は,
第10条の規定により氏名,住所その他の申立者を識別することができる事項を明らかにしないことを希望した申立者に対し通知するときは,窓口を経由して行うものとする。
(申立者等の保護)
第28条 総長は,申立てをしたことを理由として,申立者に対し不利益な取扱いをしてはならない。
2 総長は,被申立者が申立てをされたことを理由として,被申立者の研究活動が全面的に停止される等被申立者に対し不利益な取扱いをしてはならない。
3 総長は,調査に対する協力その他の不正行為に関して正当な対応をしたことを理由として,当該対応をした者に対し不利益な取扱いをしてはならない。
4 総長は,総長,理事並びに予備調査委員会及び調査委員会の委員以外の者に,
第10条の規定において氏名,住所その他の申立者を識別することができる事項を明らかにしないことを希望しなかった者を特定できないように配慮しなければならない。
(調査への協力)
第29条 関係者は,調査に対し誠実に協力しなければならない。
(秘密保持義務)
第30条 窓口として委嘱された者,
第11条第1項に規定する情報の提供を受けた者,予備調査委員会及び調査委員会の委員その他の者は,不正行為に関して知り得た情報を漏らしてはならない。
(公表)
第31条 総長は,不正行為があったものと認定した場合は,原則として,当該不正行為を行った役職員等の氏名,当該不正行為の内容その他の必要な事項を公表するものとする。
第32条 総長は,不正行為がなかったものと認定した場合は,原則として,申立てに係る公表は行わない。ただし,認定前に当該申立ての内容が学内(予備調査委員会及び調査委員会の委員を除く。)若しくは学外に漏えいした場合又は論文等に故意によるものではない誤りがあった場合は,不正行為がなかったことその他の必要な事項を公表するものとする。
(不正行為等に対する措置)
第33条 総長は,不正行為があったものと認定した場合で,処分又は研究環境の改善を行うことが必要であると認めたときは,必要な措置を講じるものとする。
(雑則)
第34条 この規程に定めるもののほか,不正行為の防止及び不正行為があった場合の措置について必要な事項は,総長が定める。
附 則
この規程は,平成19年7月23日から施行する。
附 則(平成19年10月1日海大達第238号)
この規程は,平成19年10月1日から施行する。
附 則(平成21年4月1日海大達第61号)
この規程は,平成21年4月1日から施行する。
附 則(平成22年7月1日海大達第200号)
この規程は,平成22年7月1日から施行する。
附 則(平成22年10月1日海大達第240号)
この規程は,平成22年10月1日から施行する。