Instrumental Analysis Division, Equipment Management Center

Creative Research Institution, Hokkaido University

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アミノ酸組成分析をご依頼の方へ

《アミノ酸組成分析》

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加水分解について

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加水分解について

塩酸加水分解

  • 定沸点塩酸での加水分解は、Thr、Serなどのアミノ酸は加水分解の時間と共に回収が低下、逆にVal、Ile、Leuなどのアミノ酸は時間と共に回収が上がります(4)。さらに正確なアミノ酸組成分析を求めるには、加水分解時間を変えた分析(24、48、72時間)を行い、回収をThr,Serなどは0 時間に外挿した値を、Val、Ile、Leuなどは最大値を使い、組成値を求めることが必要です。ただし、慣例として24時間の値を加水分解後の値として使用することも多いので、先行文献などをご確認ください。
  • 当室ではサンプル量の1000 倍以上の定沸点塩酸(フェノール0.1 %添加)を用い、希薄条件で加水分解を行っていますが、サンプル中のペプチド含量が極めて少ない場合等は、200 倍程度の条件になることがあります。
  • なお塩酸水解では、ほとんどのTrpが分解し定量できません。Asn、Glnは酸化されAsp、Gluとして検出されます。
  • アミノ糖の分析には、通常水解では回収が40 %程度ですので、3 N塩酸中、100 ℃、15 時間の水解条件を使用しています。アミノ酸とアミノ糖とでは、適正水解条件が異なるため1 度で両方の適正な組成値を求められません。両者の正確な値を求めるには、それぞれの水解条件での分析が必要です。

メルカプトエタンスルホン酸水解

  • Trpの組成値を求めるために3 Nメルカプトエタンスルホン酸水解(110 ℃、22 時間)(5)を行っています。4 Nメタンスルホン酸水解(6)と同等の方法です。

塩酸加水分解における混入物による影響("タンパク質化学2 基礎",共立出版より抜粋)

 無機塩類
カルシウムイオンの触媒作用により、SerやThrが異常に減少する例がある。
塩素イオン・臭素イオンは酸化剤の存在下でTyrのハロゲン化を引き起こす。
硫酸イオン・リン酸イオンはSerやThrの水酸基と反応し副生成物を生じる。一般的に0.1M以上の硫酸イオンが存在する時はSerの損失が避けられない。
 炭水化物
炭水化物が多量に含まれている場合は、シスチン,Met, Arg, Tyrの分解が促進され、Gluの定量値にも誤差を生じる例がある。
アラビノースやキシロースが、Argの分解を促進する。Argの分解は、炭水化物量にほぼ比例する。
炭水化物やその他のカルボニル化合物が、TrpやTyrの分解を加速し、SerやAlaの副生の原因となる。3 Nメルカプトエタンスルホン酸水解においても、炭水化物存在下ではTrpが分解される。
炭水化物とエステルを形成するため、Gluの定量値が過小評価される可能性がある。
 脂質
脂質とエステルを形成するため、Gluの定量値が過小評価される。
 核酸
プリン塩基は120 ℃、6 時間でほぼ完全に分解し、1 分子の塩基から4 分子のGlyを生じる。
核酸を構成する糖やリン酸の影響が出る可能性がある。