最近,地震・豪雪等の異常気象による災害報道が非常に多いですね。
私は,以前学校の災害復旧のため,多くの災害現場の調査をしたことがあるので,災害について少しだけ紹介させて頂きます。
平成16年9月8日の台風18号は,50年ぶりの超大型風台風(最大瞬間風速50.2m/s)で,北大もポプラ並木等に大きな被害を受けましたが,学校が被災する災害原因としては,他にも(1)何の前ぶれもなく突然やって来る大地震,(2)しんしんと音もなく降り積もる豪雪,(3)ゲリラのように襲いかかる局地豪雨・竜巻・落雷,(4)滅多にないが起こると大変な噴火,(5)進路も日時も予測がつくのにやっぱり被害の出る台風,(6)その他の異常な自然現象等があり,毎年多くの学校が被害を受けています。
ところで,自然現象により被害を受けた場合は全て災害なのでしょうか?
いいえ,自然現象でも基準以上の異常性を有している場合のみ「災害(災害に認定されると様々な財政支援がある)」といい,災害として認定される基準(学校災害の場合)は,以下のとおりです。
豪雨災害:24時間の降雨量が80mm以上の場合(1時間の降雨量が20mm以上の場合を含む)
暴風災害:最大風速が15m/s(10分間の平均)以上の強風の場合
豪雪災害:平年値(30年間の平均値)を超える異常な降雪による場合
地震災害:震度いくつ以上という基準は無いが,広範囲の多くの健全な施設が被災するような大きな地震の場合
落雷災害:基準無し(何らかの異常性を立証できる場合)
噴火災害:基準無し(地震・溶岩・火砕流・降灰・地盤変動等)
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ただし,地震時の転倒防止をしていなかった場合等,適切な維持管理を怠っていたために被災した場合は,災害と認定されないことがあります。
道内の主な災害としては,平成5年1月から6年10月までに釧路・奥尻・釧路と3回の大地震があり,校舎の内外壁の亀裂や室内で書棚・実験装置・ボンベ・ロッカー等多くの備品等が転倒したための被害がありました。また,薬品の落下により火災が発生した大学もありました。希な災害としては平成12年3月の有珠山噴火があります。正確な噴火予知のおかげで人的な被害はありませんでしたが,地形地盤の変動等で多くの公立学校が改築等をしなければなりませんでした。
災害を正確に予測することは困難ですが,様々な予防措置をすることにより,被害を少なくすることは可能です。
また,災害に遭遇しないためには,上記の基準に該当するような風雨が予想される場合は,野外調査等を中止する判断も必要です。
突然の災害に遭遇してしまったら,まず自分の身を守って下さい。次に,周りの人と協力して困っている人を助けて下さい。公的な援助が開始されたとき,余裕があったらボランティアとして支援して下さい,若者のパワーは災害時に大きな力になるのだから!
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