がんばれ北大!

北海道医療大学 薬学部 人間基礎科学講座

講師 近藤 朋子
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 「がんばれ北大」に原稿を書きませんか?とのお話をいただいたときに「私でいいのだろうか?」と思いましたが,私をここまで育ててくれた大学の後輩のみなさんに,私の大学に入ってから経験したこと,そこで感じたことを書かせていただくことにしました。これまでのすばらしい先輩のようなことは言えませんが,「こんなのでも何とかなるのだ!」と思っていただければ幸いです。

 生まれも育ちも北海道の私にとって「北大に入る」というのが子供のころから漠然とした目標となっていました。念願の北大に入ることが出来,期待に満ち溢れて入学式に出席したこと,初めての大学での講義,新しい友達,色々な事が思い出されます。そのときにはまだ自分が将来どのような職につきたいのかはっきりとしたビジョンもなく,「生物が好きだから生物系の学部に入ろう」くらいにしか思っていませんでした。入学した水産学部では,1年半を札幌キャンパス,後半は函館キャンパスで過ごしました。函館での生活で印象に残っているのは,4年生での1年間でしょう。4年生で講座に配属され,卒業研究をしながら大学院入試の勉強の毎日でしたが,そんな中でも講座でご飯を食べながら夜遅くまで大学で過ごした何気ない時間がとても楽しく,有意義だったような気がします。何気ない生活を共にした先生,先輩,友人とはいまだに時間がたっても昔に戻ることが出来るかけがえのない存在となっています。

  大学院は理学研究科に進みました。大学院では,研究と遊びに忙しかったですが,「思いっきり遊ぶ」ということも生きていくうえでとても大切で,それが学生時代に出来たのはとても良かったと今になって思います。大学院時代には,自分の好きな研究が出来たのと共に,その後に繋がると思える経験をすることができました。その一つが,現在の仕事につながる「大学教育の現場」に参加することが出来たことです。ここで教えることの難しさ,面白さを知り,教育の現場で働きたいと思うようになりました。そして,もう一つ,この時期は色々なことを考え,悩んだ時期でもありました。私は,教官,周りの友人に話をすることでなんとか乗り越えることが出来ました。今でもそう思いますが,一人で考え込むよりも人に聞いてもらうということで違った見方をすることができるし,話すだけでもいい場合もあります。そのことの大事さを実感し,自分が助けてもらった分,同じような悩みを持つ人の役に立ちたいと強く思うようになり,自分の方向性がようやく見えてきました。その後,医学研究科でポスドクとして働き,研究を通して,それまで出会うことのない方々とお話しする機会を得ることが出来,また,教育の現場にも携わることが出来ました。

 このような北大での経験を経て,現在,北海道医療大学で教員としての私がいます。まだまだ満足のいく仕事は出来ていませんが,これも今後に繋げられればと思いながら毎日やっています。私にこれまで様々な経験の場を与えてくださった先生方,友人,そして北大に本当に感謝しています。

 みなさんの中には,色々なことで不安に思っている人もいると思います。すでに目標を持ってがんばっているという方はすばらしいと思います。でも,それがなくても,とりあえず前に進んで見てください。私のように目標に向かって突き進むというタイプではなくても道は開けるものです。あまり力を入れすぎずに,でも「出来るところは頑張って!」前に進んでみてください。そしていつも周りには応援してくれる人がたくさんいることを忘れずに。

  みなさんが有意義な楽しい学生生活を送られることを陰ながらお祈りしています。




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