(学務部教務課からの回答)
A 新任教員研修と授業改善FDでどのような研修が行われているかということについて回答します。
新任研修としては、毎年6月授業のない大学祭の時期に「新任教員研修会」を行ってきました。昨年の例では、総長の挨拶に始まり、次に新任の先生方に北海道大学に愛着を持って頂くため「北海道大学の教育理念形成の歴史」という講義、さらに北海道大学の全学教育の仕組みを理解して頂くため「平成18年度以降の教育課程─GPAと単位の実質化」という講義を行いました。さらに、特許関係の話と「大学生の心のケアについて」という話があり、最後に授業に取り入れられるようにグループ学習の方法を学んで、「単位の実質化と教員の倫理綱領」という課題でグループ討論しました。「新任教員研修会」の企画者としては、教育に対する関心と意欲を引き出すことが最重要課題であると考えています。同じような趣旨で、4月には、(大学院生が授業をサポートする役目を行う)ティーチング・アシスタントに対しても研修を行っています。講演とパネルディスカッションの午前の部に続いて、午後の部では、12ある分科会のうちの多くでは、教室で起こるであろう具体的な問題をとりあげ、ケーススタディを行っています。
授業改善FDとしては、まず、11月に一泊二日の泊まり込みで「北海道大学教育ワークショップ」という研修会を行っています。これは、(1)授業の目標の設定、(2)授業内容の設計、(3)成績評価方法の作成というステップを踏んで、新しい授業を設計することにより、大学教育の基礎を深く理解するという内容です。このワークショップ以外のFDとしては、毎月全教員に届けられる「センターニュース」において教育に関する議論が行われ、毎年教育に関する研究論文を掲載した「高等教育ジャーナル」が全教員に配布されています。「新任教員研修会」や「教育ワークショップ」で教育に対する関心を高めていただき、これらの誌面で継続的に教育に対する理解を深めて頂く、教育技術も磨いて頂くというねらいです。さらに、もっと細かい授業改善のためのティップスはセンターの研究部のホームページで公開され、利用されています。
さらに、平成19年度からは「新任教員研修会」をより効果的なワークショップ形式の合宿研修に変えて充実させています。
教育改善は一朝一夕に成るものではありません。センターが設置されてから12年ほど立ちますが、着実に改善の方向に向かっているものと確信しています。 |
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