ゲンプロだより

サタデー・スクールプロジェクト2007

  「サタデースクール」は子どもたちの居場所作りを目的としたボランティア活動を行なっている団体です。ボランティアスタッフ、参加してくれている子どもたちまた保護者の皆さんには「サタスク」という呼び名で定着している私たちの活動ですが、元気プロジェクトに採択されたのは昨年に続き2度目で、昨年度に採択と同時に活動を始め1年半がたとうとしています。「Let's中央」という札幌市中央勤労青少年ホームで、こちらのスタッフの方々の協力を得ながら活動しており、名前から察しが付くとは思いますが、毎週土曜日に活動を行なっています。午後1時から4時までの3時間の活動ですが、そのうちの2時間を遊び支援の時間、1時間を学習支援の時間としています。
  遊び支援の時間は子どもたちが自由に遊べる時間としていて特に決まったことはしていません。ボランティアは子どもたちの遊びをサポートします。みんなでゲームをするときもあれば、それぞれ絵を買いたり、工作をしたり・・・その日の子どもたちの気分とメンバー、参加人数によって毎回することはばらばらですが、子どもたちを主体にしてその日の活動を行なうようにしています。参加してくれている子どもたちは小学1年生から高校生までと幅広く、また住んでいるところも異なり、札幌市全域、または市外から来てくれる子もいます。もともと見ず知らずの子どもたちの間に入り仲を取り持つのもボランティアの仕事。特に学年の違う子供同士が遊ぶ機会というのは学校ではあまり無いと思うので、そこがサタスクならではのよさではないかと思っています。
  学習の時間では子どもたちにそれぞれ勉強道具を持ってきてもらい、基本的には自習のような形で行なっています。ボランティアは隣に座って、何か分からないところがあれば教えてあげたり、また集中して勉強できる子の場合はボランティアも隣で自分の勉強をしているということもあります。小学校低学年の子どもたちにとっては集中して1時間椅子に座って勉強をするということだけでもとっても大変。そんな子どもたちに少しでも1人で勉強できる時間を増やせるようにお手伝いするのもボランティアの役割です。
  毎週の活動は基本的には上で述べたような遊び支援と学習支援で進めていますが、このほかに月に1度か2度「特別企画」を行っています。特別企画は3時間の活動時間をフルに使った企画を行います。今までだと、お菓子作り、凧揚げ、また青少年科学館への見学、クリスマス会などの季節に合わせたイベントなどを企画し実施してきました。いつもと違う活動を行うので準備は大変ですが、普段の活動時には見られないような子供たちの楽しそうな様子や笑顔も見られ、特別企画はサタスクにとって欠かせないものになっています。
  サタスクでは参加してくださるボランティアの方を募集してます。今いるスタッフも文系理系問わずさまざまな学部の方が参加してくれています。参加してみたいという方は見学だけでも可能なので気軽に連絡ください! よろしくお願いします☆
教育学部3年 畑瀬翔子
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HPアドレス  http://satasuku.okoshi-yasu.com/
takeshi@edu.hokudai.ac.jp (人事担当:篠原)



国際文化祭元気プロジェクト
世界から北大へ、北大から世界へ 世界から札幌へ、札幌から世界へ

  2007年11月24日土曜日、第3回北海道大学国際文化祭が共済ホールで開催され、盛会のうちに幕を閉じた。この日は、たまたま日本ハムの優勝パレードと重なったため、来場される方が少ないのではないかと心配していたが、寒い中、多くの人が来場してくださった。今回で3回目を迎えた北海道大学国際文化祭は、北海道大学留学生協議会(以下HUISAと称す)が主催、北大元気プロジェクト、札幌の市民団体の後援によって開催された。北大に留学している留学生は、81の国と地域の約700人にのぼる。
  当初は留学生が慣れない日本での生活の中で困難に直面した際に、相談できる所も少なく、留学生同士の交流の場も少なかったために、せっかくの日本での留学生活を研究だけで終わらせてしまうことが多かった。そこで、2004年4月6日にHUISA準備委員会が設立され、一年間の準備の後、2005年4月1日に「(1)世界から北大へ、北大から世界へ(世界から北大に貢献、北大から世界に貢献)(2)世界から札幌へ、札幌から世界へ(世界から札幌に貢献、札幌から世界に貢献)」というスローガンを掲げて発足した。HUISAの設立目的は、「(1)快適な学習環境の促進 (2)留学生間の相互理解と交流促進 (3)地域社会との交流促進 (4)母国・諸外国と北大との架け橋」の四つである。
  HUISAは留学生同士の交流、留学生と日本人との交流のため、毎年インターナショナルフードフェスティバル、国際文化祭、インターナショナルスポーツ大会、北海道内旅行など、様々なイベントを企画・準備し、留学生同士・留学生と日本人との交流の場を設けている。また道内の学校を訪問し、未来の主役である子供たちにそれぞれの国の文化や遊びなどの紹介を通して、国際化を図っている。このような活動の中にあって、国際文化祭はHUISAの重要なイベントの一つである。それは、多くの留学生が集まり、互いに力を合わせる場にもなるし、多くの日本人にそれぞれの国の文化や習慣を紹介する交流の場にもなるからである。
  国際文化祭の主な目的は、「多文化共生社会」への理解を促進させることで、文化の発進者である留学生が母国の文化や習慣の紹介を通して、相互の理解を深めることである。今回は12カ国の100人余りの留学生とその家族が文化祭に参加し、2時間半にわたって、母国の歌や踊りの披露、伝統楽器の演奏、伝統衣装のファッションショーなどを行った。営利目的ではなく、それぞれの国の文化や習慣を紹介することを通して、日本と母国との理解を深めることが主な目的のため、入場は無料だった。普段は研究がとても忙しく、留学生同士の交流も頻繁には行われていない。その中、留学生は、国際文化祭のため、一カ月あまり忙しい研究の合間を縫って準備した。プロではなくアマチュアなので、失敗もあったが、皆が楽しく母国の歌・踊り・樂器・伝統衣装などを披露することができた。留学生の最大の支援者であり、理解者であった留学生センターの故関道子先生(平成20年1月12日ご逝去)も闘病生活の中、お身体がすぐれないにもかかわらず、出席され最後まで見守ってくださった。今回は北大の総長も来場してくださり、国際交流の重要さを、留学生だけではなく、学校も認識していることが分かった。非常に成果のある文化祭だった。
  国際交流は国家の政策によって推進されたり、専門家の企画によって実行される方法もある。しかし今回の北海道大学国際文化祭を通して、一人一人の力は小さな種のようなものでも、協力し合うことで、国際交流という大きな花が咲く、そういうやり方があるのだと実感した。
文学研究科博士後期課程3年・呉 明煕お みょんひ
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