しかし、戦前までの大学ではほとんど例がなかった。大学はまさに「象牙の塔」であった。「学友会」は「大学祭」を通じて、こうした古い大学像を打ち破り、大学新生への意気込みを示そうとした。
「大学祭」の目玉であった教室・研究室の一般開放は、10月19、20日に実施され、多くの市民が殺到した。各学部は表のような内容の催しを行なった。見学者は、「日頃家にいて遊んでばかりいる学生さんが白い上っぱりを着て真面目な顔で難しいことをしゃべっているのを見て感心するやら可笑しいやらで家へ帰ってから大笑いになりました」(下宿の小母さん)、「大学開放双手をあげて賛成です。しかし単に2日間のお祭さわぎだけではなしに本当の意味で大学を開放してくれるように思ひました」(若い労働者)と、好評であった。このほかに運動部の競技大会、文化部の催し、教員の講演会、農村青年を招いた弁論大会・座談会などもあった。 |
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■クラーク胸像再建除幕式
(1948年10月8日撮影、大学文書館蔵) |
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