国際会議で活躍する北大生


 

 北大生、特に大学院生にでもなると、世界に羽ばたき、国際学会や国際会議で研究発表を行う機会のある学生も多い。今回、日本で開催された日米学生会議やデンマークで開催されたCOP15学生会議にそれぞれ北大生が参加、各国の大学生と交流を深めるとともに、世界に通用する理性・知性・感性を磨いた。そこで貴重な体験をしたお二人に報告をいただいた。

 

第61回日米学生会議参加レポート
大学院国際広報メディア・観光学院
修士課程2010年3月修了 山本 佳世


 「JASC」という名の非日常的な時間。東京での合宿、函館の朝市散策、長野の松代で目にした日本昔話で見る風景、小布施町でのひと時、京都での文化体験、そしてファイナルフォーラムでのプレゼンテーションと、目を閉じると、あの夏の記憶が鮮やかに蘇ります。
 日米学生会議(Japan-America Student Conference−JASC)は2009年に75周年を迎え、61回を数える日本初の国際的な学生交流団体です。本会議では、日米合わせて72名の学生が約一ヶ月にわたり共同生活を送ります。日本開催だった昨年は、東京、函館、長野、京都の四都市にて分科会活動、フィールドトリップなどを行いました。
 参加者はそれぞれ、分科会に所属します。私は「環境と持続可能な発展」分科会のメンバーとして活動しました。中でも印象的だったのは、慶應義塾大学清水浩教授の研究室を訪問し、「Eliica」という電気自動車に試乗させていただいたことです。また、10年ぶりに開催地の一つとなった北海道の函館で、北大水産科学研究院の齊藤誠一教授から受けたレクチャーも非常に興味深いものでした。分科会の醍醐味は、テーマについての知識が深まるだけでなく、学生自身が積極的に行動し、様々な機会を作り出していけることです。
 活動全体を通じては、長野県の小布施町で過ごした時間が深く印象に残っています。町長の市村様からまちづくりについて直接お話を伺ったり、ホームステイを体験したりと、心温まる時間を過ごすことができました。
 この会議の魅力は、国際交流にとどまらず、様々な人や場所、そして新しい自分との出会いがあることです。一人でも多くの人にその魅力を体感してほしいと思っています。2010年度の応募期間は終了しましたが、2011年度、第63回会議に是非チャレンジして下さい。

プレゼン後

ファイナルフォーラムでのプレゼンテーション後、分科会のメンバーと。右から二番目が筆者(京都)

















 
ポスター制作

COP15学生会議「GREEN CAMPUS」に
参加して

公共政策学大学院
公共経営コース 2年 岡部 宇洋


 12月13日(日)、14日(月)の2日間、デンマークのコペンハーゲン大学で開催された学生会議「GREEN CAMPUS」に参加してまいりました。このイベントは国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)と連動し、イェール大学とコペンハーゲン大学が共同で開催したものです。また、アメリカ、中国、デンマークなど世界中から15の大学が参加し、それぞれの大学は今後「環境負荷を最小化」し、「持続可能な社会をつくる」ための方策を発表しました。
 私たち、北海道大学チームは国籍が違う5人の留学生と3人の日本人学生から構成され、最も国際的なチームでした。また、それぞれの専門分野が違うので、意見は色々な角度から多く出るのですが、それをまとめるのに非常に苦労しました。

 発表では、「北海道における冬の暖房使用量が非常に多い」という北海道独自の問題を取り上げ、それを解決する方策として、「WARM BIZ」キャンペーン、「使用電力削減コンペ」という2つを提案しました。日本の環境省が2005年から始めた「COOL BIZ」キャンペーンは、人々が楽しみながらライフスタイルの変革をすることを可能にした素晴らしい方策です。今では、中国・韓国・欧米諸国など世界に広がっています。一方、「WARM BIZ」キャンペーンは発展途上なので、大学内や札幌駅などで展示やファッションショーを開催するのが良いのではないかと考えました。また、コンペというのも、うまくやれば人々が自発的にエネルギーの削減を行うことができるものであり、その有効性も提案しました。
 他の大学からも、比較的実現可能な方策が数多く発表されました。休憩時間には多くの参加者が他のチームの内容に質問し、積極的に会話をしており、会話を通して多くの刺激を受けました。
 全大学の発表が終わると、全体に対し専門家からの講評があり、「大学内での活動にとどまらず、広く社会を見て、大学の役割を議論してほしい」とのコメントがありました。このイベントを契機に多くの大学とのネットワークが構築されたため、今後の展開が楽しみです。
 COP15が開催中のコペンハーゲンは、市内各所で環境イベントが行われ、デモ活動もいたるところで起こっていました。普段は、煉瓦の家が立ち並び荘厳な雰囲気を醸し出しているのでしょうが、この期間中は非常にエネルギッシュな一面を見せてくれました。世界の今後の在り方が決まる、まさにその時に肌でその空気を感じられたことも私のモチベーション、財産になっております。

ポスター製作の様子










記念写真

会場での記念写真(前列右側が筆者)











 

 

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