北大でつながろう。

総長から被災学生への激励メッセージ


 今年3月11日、本州北部太平洋岸を襲った大地震とそれに伴って発生した大津波は、同地域に大災害をもたらし、多くの人命を奪いました。また、福島県沿岸に建設されていた原子力発電所が津波による被害により放射能が漏れるといった事故に発展し、多くの近隣住民の方々が長期の避難を余儀無くされています。この原子力発電所の事故処理は、今後数十年続くことが予想されています。

 本学在学中の学生、院生の中にも、これら被災地域出身の学生が数多くいますが、春休みを利用して帰省中の経済学部3年生1名の死亡が最近確認されました。まことに残念なことであり、全教職員を代表して哀悼の意を表したいと思います。

 今回の大震災は、我が国の政治・経済の停滞、少子高齢化社会の進展、それに国家財政の逼迫といった情況の中で、暗い社会の到来を予感させるような大震災であっただけに、我々国民一人一人にとっても、そのショックは大きなものでありました。しかし、この困難な局面を乗り越えることができれば、我が国には再び明るい未来が開けそうな気がします。この度の悲しみを乗り越え、皆さん一人一人が明日への強い希望と夢を持ち続け、未来を拓くのは皆さん自身であることを信じることこそが、我が国再生の鍵となるでしょう。人生急ぐ必要はありません。一歩一歩の前進がそれを可能とします。本学も皆さんの努力を積極的に支援します。

北海道大学総長 佐伯 浩

ありがとうございます。


被災学生2名は、支援のお礼と近況報告のために総長室を訪問しました。(撮影:M子)

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