世代を超えた同級生

文=学生広報プロジェクト 堀翔太郎(文学部2年)
text:Shotaro Hori

自分史をもう一度、書くような気持ちです

これは、まだ苦学生の多かった日米安保闘争の時代に学部生として、今年度から農学院1年生として週2回ほど北大に通う、藤田久雄さん(72歳)のお言葉です。今、2度目のキャンパスライフに何を思うのでしょうか。

自分がどういう時代に

生きてきたのか、

改めて勉強して

確かめてみたかった。

藤田久雄さん(72歳)

現在、藤田さんは学業の傍ら、若い音楽家を育てる活動や、中学生時代から続けている合唱などにも取り組んでいます。また、北大農学部卒業以来、農業の世界で長く活躍され、日本の進んだ農業技術を届けるため、世界各国に足を運んできました。

「なぜ再び大学に通おうと思ったのですか?」との質問に、藤田さんはこう答えてくれました。「自分がどういう時代に生きてきたのか、改めて勉強して確かめてみたい。まあ、私も苦学生でアルバイトばっかりしてたから、単純に勉強し直したいっていうのもありますけどね」。照れながらそうおっしゃる藤田さん。学部生の頃は、映画館の金庫を夜警するアルバイトや、家庭教師をして学費と生活費を賄っていました。

今年度、2度目のキャンパスライフを送る中で


今と昔の学生生活を比べてみると、特に大きく変わったのは、学生の服装だそう。今でこそTシャツなどのラフな格好で講義に出ることが許されていますが、昔は教授陣の目が高校教員の名残のように厳しく、スーツや学生服(詰め襟)をきちっと着ている学生以外、受講を許されなかったそうです。また、大学の国際化が進み、キャンパスに外国人留学生が増えた、とも。当時、英語で行う授業はありませんでした。

藤田さんからのメッセージ

よく遊び、よく学べ!

快く取材を受け、にこやかに対応してくださった藤田さんに、心からの感謝を表したいと思います。本当に貴重な出会いをありがとうございました。

同じゼミ(農業経済学科・協同組合学講座)に所属する高橋祥世さんに藤田さんの印象を語っていただきました。

藤田さんはすごく勉強熱心で、色々な科目を履修しています。ゼミではよくご自身の体験を現場の意見としておっしゃったり、学生に対して社会人の先輩としてアドバイスをしたりしていますね。


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