明日に向かって、仲間と歌う歌

「都ぞ弥生」100周年


思い出深い歌を聞くと、その曲を歌っていた時の自分に一瞬で戻ってしまうことがある。
北大祭の3日目、中央ローンで開催された「都ぞ弥生100 年記念祭」には、かつて北大で青春時代を過ごしたOB たちが、過ぎ去った時を忘れて、寮歌「都ぞ弥生」を熱唱する姿であふれていた。 肩組み揺れる約500 人の人波には、緑色の陣羽織を身に付けた、「バンカラ姿」の人も。歌い終えて、もう若くないから大声はつらいなあ…と笑いあう顔には、若き日の感激を歌った喜びがあふれていた。

同じく北大祭の最終日、高等教育推進機構前では恒例の「一万人の都ぞ弥生」が開催された。応援団による檄文の後、都ぞ弥生の大合唱が始まると、学生たちは仲間と一緒に盛り上げた祭の熱気そのままに、その終わりを惜しみ合った。
人の世の清き国ぞとあこがれぬ〜 ♪ という歌詞が印象的な寮歌「都ぞ弥生」は、北海道の大自然のすばらしさと、そこに集う若者たちの清き精神を歌った曲である。 毎年寮生によって作曲されている数ある寮歌のうち、一番愛唱されているといっても過言ではない。その魅力は、歌詞やメロディーの美しさに加えて、こんな風にだれかと一緒に歌った時に気持ちを通わせることができることにあるのではないだろうか。

熱い大学生活にはそれを分かち合う仲間が必要だ。ぜひ、この曲を通じてその仲間をみつけてほしい。
「都ぞ弥生」は今年で生誕100 周年。世紀を超えて北大生をつなぐ伝統歌を明日に向かって歌い継いで行こう。
文=学生支援課 好田 知子 text:T omoko Yoshida

都 ぞ 弥 生 へ の 想 い
100 年記念祭で、英語版の都ぞ弥生を歌った硬式野球部

硬式野球部 主将 和田 圭央(理学部4年)
応援団のOB の方から「硬式野球部に協力してほしい」という依頼を受け、普段から試合の応援など応援団にはお世話になっていることもあり、喜んで参加させていただくことにしました。
都ぞ弥生は野球の試合後など、普段から歌う機会が多いのですが、今回は英語版ということもあり、はじめはとても困惑しましたが。しかし応援団OB の方の熱心なご指導もあったおかげで、どうにか歌えるようになりました。
当日は、北大の伝統ある寮歌をたくさんの方々と肩を組み、歌え、とても感慨深い一日となりました。


市民に都ぞ弥生を披露する合唱団

合唱団 森 弘樹(理学部3年)
都ぞ弥生は北大合唱団の一番の愛唱歌です。入学式、卒業式、定期演奏会などの多くの演奏会で1 番をユニゾン(斉唱)、2 番をコーラスで歌います。その度にお客さんが笑顔で聞いてくださったり、一緒に口ずさんでくださるのを見て大変嬉しく思います。 また、飲み会などの締めにも必ず肩を組んで歌います。都ぞ弥生のリズムとメロディはとても覚えやすく、さらに詩が放つ世界観が壮大なため、100 年経った今の学生にも自然と受け入れられる感じがします。

僕も高校生のとき、北大合唱団が歌う都ぞ弥生を初めて聞き「将来北大に入ってこの歌を歌いたい」と思うほどこの曲の魅力を感じました。これからも、その魅力を北大の仲間たちや聞いてくれたお客さんと共有できるよう歌い続けていきます。

都ぞ弥生の普及活動にいそしむ応援団

応援団 兵隊五郎 笹瀬 達也(医学部保健学科1年)
都ぞ弥生。北大生なら誰でもこの歌を聞いたことがあるだろう。この歌は北海道の自然の四季折々の秀麗さ、雄大さを歌った歌である。そんな歌詞の中で私は最後の一節「栄え行く 我らが寮を誇らずや」という歌詞が最も好きだ。 この一節は寮への誇りを表している。しかし、私は北大生の皆にそれ以上のものを感じ取ってほしい。この歌は10 年、20 年… 100 年と寮生だけでなく多くの北大生に歌い継がれてきた。

今やこの歌詞からは、寮だけでなく北海道大学の誇りが感じ取れるはずだ。やはり都ぞ弥生は北大生全員の歌なのである。そんな長年歌われ続けてきた都ぞ弥生、北大の誇り、これからも私たちの手で受け継いでいこう。
- メニューにもどる -