

9月12日(水)、札幌六大学野球秋季リーグ戦の最終日。北大硬式野球部は、北翔大学との最終戦に負けなければ二部との入れ替え戦を免れるという大事な試合に臨んでいた。いてもたってもいられないまま札幌ドームに駆けつけた。
第2節からは先発、救援と全試合に登板した梶友郎(経済学部2年)は、この日も持ち前の制球力を遺憾なく発揮。梶のためにも先取点がほしい攻撃陣は、3回表2死1塁から4番・武田圭弘(文学部2年)が外野超えの2塁打で先取点!しかし、4回裏、エラーとタイムリーで同点に追いつかれ、さらにヒット、そして連戦の疲れかエースがボテボテのゴロを弾いてしまい2アウト満塁の大ピンチ。続く打者が強烈なゴロを2遊間に・・。最早2点のビハインドを覚悟した瞬間、セカンド佐藤駿人(薬学部4年)の超美技がチームを救った。以降、無得点が続いたまま延長12回表の北大の攻撃が終了、大会規定により北大の勝ちはなくなり、後は引き分けに持ち込む一手。何とか二部落ちのピンチから逃れようと慎重になりすぎたのか、内野エラーで無死1塁。敵陣はバントで送ると思いきや、何と北翔大は強攻!そして打球はセカンドの後方に〜。あっ、ポテンヒット・・、と目を背けたくなった瞬間、再び駿人が蝶のように舞った。固唾を飲んだ我が応援団も大歓喜!そのまま2アウトまで追い込んだ。しかし、相手もさるもの。執念のヒットで再び反撃!2アウト1・3塁のピンチを迎えてしまった。今シーズンの最終戦の最終回を最上級生たちはどんな思いで迎えたのだろう。最終学年を体調不良のためにずっとベンチを温めた野坂泰宏(工学部4年)は、いつもと変わることなく熱い檄をナインに送っていた。普通なら最終戦は苦労した最上級生が試合に登場するのだが、この日だけはそうもいかず、1部残留のために全員が必死に戦った。梶は内外野そしてベンチの仲間を見回し、ゆっくりと深い呼吸をしながらこれまでの道のりを思い出していた。そして、2年間女房役を務めてくれた先輩捕手・敦澤貴啓(医学部保健学科4年)に向かって魂の3球を投げ込んだ。3球三振!
廃部寸前の弱小相撲部を舞台にした映画「シコ、ふんじゃった。」主演はシブガキ隊のモックン。竹中直人ら脇役がコミカルに演じ、1992年に日本アカデミー賞を受賞した。本年、映画を彷彿させるような「北大相撲同好会」が公認団体となった。11月10日(土)、市内の中央体育館を訪ねた。
「イチ、ニイ、サン、シイ」。準備運動中の稽古場のドアを開けると、まわし姿の北大生が4人。思いのほか筋肉質だ。号令に合わせてシコを踏むこと100回、きれいに足が上がっている。次は「すり足」一言も発さず黙々とこなす。背中が最早汗ばんでいる。体育館の相撲指導員の大きな腹に向かって、いや胸を借りてぶつかり稽古が始まる。一人十番。そして、部員同士の取り組みへと進んでいく。正味1時間の稽古は息も詰まるような充実した時間だ。映画の受け売りで冷やかし半分で出かけた自分を恥じた。一転、稽古が終わると和やかな雰囲気となり、その輪に混じった。日崎秀康さん(法学部4年)は、1年の時に「七大戦に出てみたい」と相撲同好会の立ち上げを決意した。同級生の坂田健輔さん(法学部4年)他、数名が続いた。一昨年、七大戦に初出場、昨年まで2年連続団体戦未勝利に終わった。竹原大智さん(工学部2年)は、大相撲のTVを見たことがなかったがマイナー競技をやってみたいと決断した。高校時代は水泳をやっていた小川哲郎さん(獣医学部1年)は、「相撲も好きだったので」と入部を思い立った。体脂肪率8%の筋肉美はモックンさながらだ。初めて公認団体として臨んだ今年の七大戦は、目標の初勝利を達成、勢い余って2勝し、5位となった。坂田さんは、個人初勝利も手中に収め、劇中の竹中役と何故か重なる。「自身初勝利が団体戦初勝利に結びついたことは純粋に嬉しいです。自分はやはり持ってるなと思いました。」と調子がいい。日崎さんは、就活面で得したという。「相撲部ですと言うと興味を持ってくれるので掴みはバッチリでした。ただ、掴んで引き寄せて寄り切るには稽古不足でした(笑) 」と言いながら無事内定をもらった。
代替わりで新主将となった竹原さんは、「先輩たちが抜けた穴はスモササイズでも考えて女子部員を獲得したい。」と廃部の危機対策に余念がない。これからもしばらく目が離せないようだ。
8月25日(土)、クラーク会館講堂で民謡研究会合唱団「わだち」による演奏会が開催された。民謡ミュージカルのような楽しい舞台のフィナーレは、ウルフルズの「バンザイ、好きでよかった」の大合唱。大成功に団員一同大歓喜。1年生の神山小巻さんは、6月末から2か月かけて練習しました。初めての大舞台に緊張しましたが、先輩方と楽しく踊れたので本当に感激しました。」と喜びを表した。
8月26日(日)の北海道マラソン。YOSAKOIソーランチーム「テスク&祭人」、BIGBAND北極、民謡研究会合唱団「わだち」他、北大生がランナーに声援を送った。4年目を迎える「北海道マラソン応援プロジェクト」の活動は、ランナーも楽しみにするほど恒例行事となった。学生代表を務めた富田有紀子さん(教育学院博士後期課程1年)は、学生の主体プロジェクトとして更なる発展を誓ってくれた。
9月30日(日)、アメリカンフットボール部BigGreenが出場した「北海道学生アメリカンフットボール選手権大会」。北大応援団と応援吹奏団による熱のこもった応援が響く中、北海道工業大学に35対0と圧勝した。今大会すべての試合が終わり成績は4 勝1敗の第2位。アメフト部の小林慎司くん(工学部3年)は、「初戦の敗北でチームが奮起しその後は全勝できたが、結果として北海道制覇の目標を達成できず残念。試合中はスタンドから声援が聞こえて何度も勇気づけられた。来年も応援をお願いします!」と語った。
9月30日(日)本学で行われた女子ラクロスの集客試合、対北海学園大戦。ラクロスはお洒落さ反面、もともとインディアンの部族間の争いの平和的解決に用いていたという荒っぽいスポーツ。乙女たちが広いコートを縦横無尽に走り回っていた。コートの外では次代を担う1・2年生たちが先輩たちにメッセージ付きの熱い声援を送った。松尾安優子さん(法学部2 年)は「次は私たちの番です!」と闘志を燃やしていた♪
10月8 日(月)、体育会主催の駅伝大会が行われた。実施要項に目を通すと、「タスキに生き物を使わないでください。」「タスキに危険なものを使わないでください。」との不思議な表記に頭をかしげたが、スタート後の選手を見て納得。ペットボトル、王冠、サンタクロースの帽子、悪魔の羽根、中にはスイムスーツを着た集団も。聞けば速さを争う他、タスキ賞や仮装大賞があるとか。汗臭いドラえもんの被り物でタスキ賞を受賞した「武田流中村派合気会」の伊藤優希及さん(水産学部1年)は、「ただ必死でした」と精一杯のコメントを発してくれた。
10月21日(日)、ラグビー部のインカレ第5節が月寒グラウンドで行われた。勝てば全国大会北日本代表決定戦に出場が決まる一戦、会場に集まった学生・教職員・父兄の大声援を受け、道都大学を相手に前半善戦するものの中盤から押され、21対26で敗れた。ラグビー部の大谷淳くん(経済学部4年)は、「相手の戦術に対応仕切れず負けたのが悔しい。来年こそは後輩が全道制覇してくれるはず。期待しています!」と話していた。
文=学生支援課 加福 千明、好田 知子
text:ChiakiKafuku,TomokoYoshida