この世界の中で他の誰よりも、天気予報に敏感な人たちが居る。
それは飛行機のパイロットでも、遊び盛りの小学生でも、気象予報士でもなく、「ホームレス」と呼ばれる路上生活者の方々である。常に天候によって、今夜の寝床が左右されてしまう。
私は彼らの気持ちが少しでも知りたくて、昨夏の東京で野宿をしてみた。意外と寝床が見つからない。明るすぎたり、人目が気になったり、雨風がしのげなかったり。
東京というマチが、私を寝かせなかった。2人掛けのベンチの真ん中に横たわる手すりから、あんなに悪意を感じたことはまだ、ない。
(堀)

第141号/2012年12月発行

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