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世界の民族衣装に魅せられて
常 田 仁 さん
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学生時代
旅が好きで,休みはひとりで沖縄のジャングルに行ったりしていました。大学でも,花の下で日向ぼっこをするのが好きで,よくそんなにボーっとしていられる,と友達にからかわれました。でも,そこそこ勉強はしたし,よく飲んだし,楽しい学生生活でした。卒業しても就職もせず,就職率100%の工学部ではとんでもない「教授泣かせ」でした。丹保先生はじめ,先生方にはほんとうにお世話になり,感謝しています。
旅・民族衣装
就職する前に世界を見ておきたいと思い,3年目に休学して,旅に出ました。中国,パキスタン,イラン,トルコ,ギリシャ,エジプト,東南アジアなど14ヵ国を回り,新彊ウイグルでパザール(市場)の魅力のとりこになりました。市場に集まる人々,その民族衣装にひかれたのです。日本では失われてしまった,民族の独自の文化がまだ生きていて,人々の衣装には民族の誇りがこめられています。各地の酒,特にビールも堪能しました。民族衣装など,80キロの土産を買い込んで帰りました。
大学に戻って,卒業はしましたが,就職はせず,さらに世界を放浪して回りました。各地の独自の民族文化が失われてしまう前に見ておきたかったのです。ゆく先々で民族衣装を集めました。市場で中古を買うのですが,言葉は分からなくても,数字さえ覚えれば,あとは身ぶり手ぶり。駆け引きはたいへんですが,要はタイミング,それがまた面白いのです。
多国籍料理店「パザール」
集めた民族衣装や写真,料理を通して,各地の独自の文化を多くの人に知ってもらいたいと思い,昨秋多国籍料理店「パザール」を開店しました。中央アジアのチャイハナ(茶店)をイメージしています。民族衣装や絨毯はすべて旅で集めてきたものです。料理は旅先で食べておいしかったものばかり,現地で作り方を教わったり,本で調べたりして,中央アジア,メキシコ,エジプト,パキスタン,タイなど各国の料理を30種類以上用意してあります。香辛料は旅先で買ってきたものを主に使っています。
もともと料理が好きでしたし,人と話すのが好きですから,いろいろなお客様においでいただき,各地の文化に触れていただけて,ありがたいと思っています。
後輩のみなさんへ
私自身は,自分の興味にまかせてここまできました。普通に就職して,大学で学んだことを仕事に活かしてゆくのもひとつの幸せと思いますが,他に好きなこと,興味のあることがあったら,それに打ち込んで,それを伸ばしてゆくのもよいと思います。好きなことなら,失敗しても悔いることはありません。
それと,北大卒の誇り。それも私の支えです。
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