小説を書き,それが本に掲載され,さらに店頭に並ぶ。そんな,まるで絵に描いたようなサクセス・ストーリーを安直に,かつダイレクトに体験できるのが私ども文芸部のメリットです。「本」とは部誌「ぎよ」のことで,ほぼ年に二回(春と秋が通常)突然思い出したように発行されます。「店頭」とはまさしく生協の書店のことです(主にカウンター近辺に配列される)。自分の作品が載っている本が日増しに減ってゆく光景は,なかなかに気分のよいものです(やや理想形)。
通常活動としては週一回の例会があり,ここで部員各自の作品の合評会や読書会などが開かれます。他の人の作品や普段自分のあまり読まないジャンルの作品に触れる機会を持つことは,自分自身の創作活動にとっても有益となることでしょう。また,自分の作品に対する率直な意見を直に聞くことができるのも利点の一つです。とは言っても各自の作品は別に審査を受けるわけではなく,作者本人が希望する限り,その作品はめでたく部誌に掲載される運びとなります。
「文芸部」というやや硬めの言葉の響きからはどちらかというと純文学集団のイメージが連想されますが,実際にはどのようなジャンルの作品でも取り扱っているので,心配はいりません。また小説でなくても詩や評論など,活字で表現される作品ならば何でも大歓迎です。
さらに文芸部イコール文学部というイメージも根強いのですが,現在では文系理系の垣根を越えて様々な学部から人材が集っています。
そんな人材どもがいつも何をしているのかといえば,これからの文学界の在り方をめぐって激論…する時代ははるか昔のことで(そもそもそんな時代はあったのだろうか),例会の場は常に漫談と失笑の支配するところとなります(意味不明)。
もちろん執筆経験の有無は全く問題になりません。書いたことはなくてもただ漠然と小説や詩に興味を持っている人が最初の一歩を踏み出すきっかけとして,サークルを利用して頂ければ幸いです。また今まで一人で作品を書いていた人も他の書き手とふれ合うことで自らの作品の幅を拡げることが可能になるでしょう。
以上が文芸部なる一見得体の知れない団体の主な構造とその性質の概観です。内部構造を詳しく知りたい方,作家となるための踏み台を求めている方,または単に何でもいいから自分自身で生み出したものを形に残してみたいと思っている方は,毎週金曜日18:30にクラーク会館で行われる例会に顔を出してみて下さい。決して損はさせません。過剰な期待さえ抱かなければ。