恵迪 SPECIAL

日曜日の晩餐

逸 見 勝 亮

◇恵迪寮では日曜日ごとに美味いものを食っているという“うわさ”を確かめるために,1997年10月26日夕刻雷鳴とどろくなかを恵迪寮へ行ってきました。韓国とのサッカー試合中継に名状しがたい歓声が響く共用棟に,午後7時半ごろ寮内放送を合図に食器を手にした寮生が並んでいます。100人以上はいます。
◇夏休み以降のメニューはこれです。
  ・イカとエビの天丼(7/20)
  ・トムヤンクン(7/27)
  ・手作りギョウザ(皮も)(8/10)
  ・冷やし中華(8/17)
  ・チキンカツ丼(8/24)
  ・ドライカレー(8/31)
  ・鶏肉のワイン煮(9/7)
  ・サワークリームソーススパゲッティ(9/14)
  ・マーボー豆腐(9/21)
  ・ビビンバ丼(9/27)
  ・おでん(10/5)
  ・カレー風味のラタティーユ(10/12)
  ・ブイヤベース(10/19)
 いずれも1食100円です。いつも前日に150食分の材料を仕入れ,調理はその日の午後1時頃から6時間はかかるそうです。

 

 
調理中の炊務

 

 
炊務とヘンミ記者(右下の日付は間違い)

 

◇恵迪寮自治会ではパンとアイスの売上利益を寮生に還元するために,数年前からスペシャルと称する日曜日の夕食を提供してきました。食事を用意するのは執行委員会の6人の炊務です。メンバーは,吉永公(文3,よしながさん),山田哲史(工3,ジャマオ),沖田通修(経4,おきたさん),長谷川健(理3,ポール),坂本昇(工3,九チャン),村中剛洋(工1,ナチ)。吉永君が料理長で,メニューはかれの独断で決定されます。「料理のイメージは,やはりLOVEによる,でしょう」(吉永談)ということです。
◇この日のメニューは,寮祭スペシャル「鮭とイクラの親子ちらし,お吸い物付き」(200円)です。米は10合炊きの炊飯器で10回,生鮭を3匹塩ゆでしてほぐし,卵50個を錦糸卵にし,シイタケ・ニンジンを甘辛く煮て,キュウリを刻み……すごいエネルギーです。
◇一番手間かけた「カレー風味のラタティーユ」(イタリア風煮込み)は不評で余ったが,丼ものは飛ぶように売れるとのことです。寮生にも「天丼」はとくに好評で,異口同音に「イカが一杯分とエビもあって最高美味かった」と言っています。「いつもは部屋(ブロック)で夕食を食べるけど,日曜はスペシャルをあてにしています。ええ,うまいっす。部屋の炊事は当番制で雑費込みで週2,000円を納めるっす」「これまでで一番はドライカレー,炊務は上手だわ」と,評判は上々です。
◇ところで「鮭とイクラの親子ちらし」の美味かったのなんのって,錦糸卵,カイワレ,イクラ−見た目のきれいさはもちろんのこと,すし飯の酢の具合と米のほどよい堅さ,シイタケの風味,分量,何をとってもよくできていました。150食を100人であっという間に平らげ,記者も満腹,満腹!

(へんみ まさあき,教育学部教授)

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