推理小説を読まない推理研会員が,最近多い。大き
な理由の一つは「ミステリー」の意味の変容だ。我々
の研究によれば,近年のミステリーと言われる本の中
には,歴史小説,SF,ホラー,果ては登山物など,
「これが何故?」というものが数多く存在する。もち
ろん従来の意味でのミステリーもかつてないほどの活
発な動きを見せているが,少なくとも出版業界の中で
は事実上ミステリーエンターテインメントという扱
いが主流となっている。このことについては「色々
な趣向の作品を読みたい」「しかしミステリーの枠が
意味をなさなくなる」など賛否両論である。ちなみに
この推理研では,前述のように,ミステリーを読まな
い奴らが大勢いるため,全く問題にならない。それな
らば「推理小説研究会」と名乗る必要もないのだが,
ほかに適当な名称もないためそのまま使われている。
かりに「小説研究会」としても,文芸部と紛らわしい
のだ。(相違点は,芥川龍之介と菊地寛のようなもの
だ。というのは色々な意味で不適当か。)
自分達が良くも悪くも「推理」にこだわらないこと
を分かってもらえたと思う。では,実際の活動なの
だが,それが…清濁併せ呑むというか,人生万事塞翁
が馬というか,とにかく趣味的なのだ。研究といって
も鹿爪らしい理論構築などせず,毎週読書会をするこ
とだとか毎月会報を出すこと,年一回会誌を発行する
ことを通じて本を読むだけだ。だけなのだが……。
思うに,このサークルは,懐が深すぎるのが伝統の
ようだ。近頃の例を挙げれば,無料配布のハーレクイ
ンなどというものが例会本になった。しかも,残念な
がら,最近一番盛り上がったのがその週なのだ。まさ
か来た者の半分以上が読んだとは。もっとも,「どう
してこれが売れるのか」が議論の中心ではあったが。
くるしい部分もあるが仕掛けに気付いただろうか。
それでは例会日時。毎週月曜,6時からサークル会館
で。最後にメッセージ。
“問題,私の名は? 非常に簡単なので,あなたの目
が鳥目でなければ解るだろう。北大推理小説研究会よ
り”
