特集 今,北大生となって思うこと |
北大に入学して |
高 岡 慎太郎 |
私が北大を目指そうと思ったのは,北大のパンフレットを初めて見た時でした。パンフレットの中にあった,青い空の下で巨木の緑が光っている写真を見た時,こんなキャンパスで生活してみたい!! と思ったのが始まりです。合格すればこの巨木は私のものだ!!という何だかわけの分からない事も考えていました。
しかし,入試の前日の下見で初めてキャンパスを見た時はあぜんとしました。見渡す限りの白い雪と葉の落ちた木々のモノトーンの風景でした(当たり前)。生まれも育ちも雪国のくせに,冬でさえパンフレットの写真の風景を思い描いていた私にとって,それは大変なショックでした。ホテルに戻ってから色々な不安が沸いてきました。私が色々と北大について調べた事は実はすべて間違っていたのではないだろうか,だとしたら私は何のために北大を目指して来たのだろう? 私は北大で何をやりたいのだ? という様な,入試の前日だというのに入試とは何の関係もないところで悩んでいました。入試当日も緊張は全然なく,ただなぜ自分が北大を受験するのだろうと考え悩んでいました。入試も模試の様な気分で受けていました(今考えるとこれが良かったのかもしれません)。
その後,合格通知の後に送られて来た「北大生の生活」や「北溟」を読んでる内に,あんなにもこだわっていたキャンパスの事よりも,大学での勉強や部活などの方へ興味は移って行きました。
そして引越しも無事に終わり,入学ガイダンスと入学式も終わった後,私は色々な事をしてみたい,新しい経験を積みたいという気持ちにあふれていました。取りあえず部活に入りたいと思い色々な部活,サークルを見学しました。10団体以上見学し,結局は日本拳法,カヌー,カーリングの3つのサークルに入りました。多いと思われるかもしれませんが,全部合わせても練習日は週3日程度で,何よりやってて楽しいので大変だとは思っていません。今になって少し失敗したと思っている事は講義を取りすぎた事です。色々な事を学びたいと思って週24コマ入れたまでは良かったのですが,そっちに時間を取られ,やりたかった科学や外国語の勉強時間が減ってしまったのは本末転倒でした。
大学で私の目指している事は,かっこいい人になるという事です。かっこつけてる人でなく,自分のやりたい事に向けてがんばっている人になりたいという事です。昔からそういう人をかっこいいと思って来ました。自分もそうなりたいと思っています。
しかし最近,私がかっこいいと思っている人と話している時,「何か悪い事があっても人にグチるんじゃない。物事の原因を他人ではなく自分にあると考える様な,誰のせいにもしない生き方が君の中でできるまで君は永遠に子供のままだ,かっこよくなんて永遠になれないからな! せいぜい傷をなめあう仲間といい大学時代を送ってくれ」と言われました。今はその言葉を素直に受け止め,色々な事を自分の責任だと考えようと思っています(TPOによっては通用しない考え方だとも思いますが)。講義の下手な先生やテストの問題を教えてしまう先生,カンニングを半分容認しているかの様な大先生様(皮肉),その他にも『えるむ』のロゴマークについても言いたい事はあるのですが,それに対しても自分に何ができたか,という様に自分の責任を考えたいと思います。
北大に入学し,色々な事をやろうとしてきましたが,与えられた物を受け取っているだけの事が多かったと思い,これからは自分から何かをやらねばと思っています。
そして,人間万事塞翁が馬と言いますが,以前の自分よりも進歩するよう心がけながら生きたいと思います。
(たかおか しんたろう,理学部1年,新潟県出身)