特集 ボランティア |
ボランティアをはじめてみて 〜その1〜 |
工 藤 幸 子 |
欧米と比べて、日本ではボランティアという言葉も概念も身近なものではないというのが私の「ボランティア」に対する印象でした。今まで生活してきて、ボランティア活動の参加機会や実際に活動をしている人達に会うことがなかったからです。ボランティアの内容や意味というのがどこかぼんやりとしたもののように感じられて、あまり興味を持っていませんでした。
今年10月からボランティア相談室というのが開かれると友人に聞いて、「一度行ってみようかな」という気持ちで相談室に行きました。お話を聞いているうち、私のボランティア概念がかなり現実と違っていたことに気付かされました。それまでどこか「自己満足的」で「偽善的」なものではないかと思っていましたが、それはとんでもない誤解でした。ボランティアというのは、活動する側・される側といった考えは必要ないのです。むしろボランティアをする側は、その活動を通じて様々な世代の方と知り合うことができ、交流していく中で自らの感性や人間性を高めていくことができるというプラス方向の変化を感じることができるのです。欧米でボランティア活動がさかんなのは、こういう考えがひろく知られているからだと思います。私は主に幼児ボランティアを中心にしていますが、子供達の笑顔や元気な声を聞けることがとても楽しみです。
最近の日本でも、ボランティアが一般的になりつつあると思っています。特に阪神大震災や原油流出事故の時など、一般ボランティアの方に加えて学生ボランティアが多く活動していたのが記憶に新しい所です。若い世代からもボランティア精神が高まってきているというのは、ボランティアの新しい可能性をひらく道でもあると思います。小さなこと、自分ができることをできる範囲でやっていけば、いつか大きなものが残せるはずです。
(くどう さちこ,法学部2年)