北大祭のオールナイト企画中止について |
北海道大学学生委員会第二小委員長(歯学研究科・教授) |
大 畑 昇 |
・プロローグ
昨年度の北大祭で深夜から早朝にかけ、5件以上のの事故・事件が発生した。小火騒ぎ(事故)は北大生の不注意であることが判明したが、他の傷害事件は学外者が加害者らしくパトカーが来た時は被害者(北大関係者ばかり)だけしか判らなかった。昨年の北大祭が結果として残したものは、大学側への多数の地域住民からの苦情と、警察・消防署からの善処申し入れと、被害者の泣き寝入りであった。
そこで大学祭での事故・事件防止のため、1年間かけて第二小委員会と学生側(準備→実行委員会)との話し合いを行った結果、今年は大学祭の深夜企画中止を実行委員会が決定し、室内から全員退出させた後、各部屋の旋錠とセンター玄関の旋錠を教職員が行うとの約束となった。つまり、学生側が自主的にオールナイト企画を中止し、室内備品類の夜間管理に教官学生委員と学務部職員が協力する形である。
・ドキュメント
1日(木)23:00〜来場者退出の案内放送。23:30〜各企画責任者待機の案内放送。0:00〜各部屋を順に旋錠。0:30、センター正面玄関旋錠後、実行委員が廊下、階段、トイレの清掃を開始。センター内男子トイレで泥酔状態の男を発見。学生休養室に寝かせ、実行委員が付添い、翌朝帰す。
2日(金)23:30〜退出の案内放送。E201の企画団体が後片付け中に、学外者4人の不良グループに因縁をつけられ殴られる。学生委員が仲裁、北大生側が終了説明不足を詫び、和解。1:00センター玄関施錠。
3日(土)23:30、北大生が中央通りをバイクで走行中前日と同じグループに因縁を付けられ暴行される。止めに入った北大生も殴られ負傷。職員3名、学生委員2名、警察官3名が調査(グループ数名の姓名と住所を確認)したが、北大生が告訴しないため事件にならず、和解で決着。23:50工学部北駐車場で学外者の車と北大生の間でトラブル発生、職員が対応、和解。0:00頃中央通りでバイクとRV車が接触事故、警察官が対応、和解。0:15頃センター前で北大院生が同じグループに殴られ、学生委員が対応、院生が鼻骨骨折のため夜間救急病院へ付き添う。0:30頃センター玄関前で北大生が同じグループに殴られ学生委員と職員が対応、その隙に殴られた北大生は逃げる。0:40、閉店した模擬店に同じグループが因縁をつけたため、模擬店の見張り番を帰す。センター内の3団体が実行委員の中止要請を無視、小委員長と学生課長が酒に酔ったE206の責任者を説得するも拒否。E207、E205小委員長が説得し退出させる。1:00、センター前で酔った北大生が喧嘩、職員が対応、和解。最後まで粘ったE206は副学長が説得、退出させた。1:30センター玄関施錠。
・エピローグ
今年はオールナイト企画中止にもかかわらず、9件の事故・事件が発生、加害者は判明するも、被害者の泣き寝入りで終わった。来年度はどうするのか、第二小委員会は現実行委員会との話し合いを直ちに開始しなければならない。今、北大祭は危機に直面していることは確かである。
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