通常、個人でインターネットを利用する場合には接続業者(インターネット・プロバイダー)への申込みが必要となります。ここでは、皆さんも利用されることが多い北海道大学生活協同組合をはじめ各大学の生協で組織している大学生協連合会運営のインターネット・プロバイダー「生協インターネット北海道」の西野 裕司さんにインターネットとネチケットについてお聞きしました。


Q)本学学生のインターネット接続件数は年間何件くらいでしょうか。
A)現在、北海道地区ユーザーの内、北大生協組合員は約2,500名で、このうち90%が学生、10%が教職員組合員と思われます。

Q)契約後、当人の転居などで使用料金請求手続上のトラブルはありますか。
A)年額使用料を加入時一括払いする方式ですので、この種のトラブルはありません。

Q)今回はネチケットを特集として取り上げています。契約書に記載されているネットワーク使用上の禁止事項の概略をご紹介ください。
A)有料のサービスですので、以下の行為を除き、法律の範囲内で行為は自由です。
  1.公序良俗に反する行為
  2.第三者に損害又は不利益を与える行為
  3.第三者を誹謗中傷する行為
  4.その他、本ネットワークに損害又は不利益を与える行為

Q)禁止事項を破った場合,当人にかされるペナルティーの内容をお聞かせ下さい。
A)プロバイダーの立場では「利用の停止」以上のペナルティはありません。但し、ユーザーの行為によって被害を受けた第三者からの告訴に基づき、裁判所命令を受けた場合は、該当ユーザーの個人情報の開示や警察の捜査への協力を行います。つまり、損害賠償や刑事罰については、第三者や検察とユーザーの間で直接争われることになります。

Q)禁止事項を破った場合、生活協同組合として対抗措置を取られると思います。その概要について差し支えない範囲でご紹介ください。
A)プロバイダーとしての生協に第三者から被害の訴えなどがあれば、該当ユーザーを特定の上、事実確認と警告を行います。他大学を含め北海道では約5,000名のユーザーを有していますが、2ヵ月に1度くらいの割で、この種の指摘を受けています。指摘が事実の場合、ユーザーに対し行為の中止、先方への謝罪を勧めます。始末書の提出を求める場合もあります。

Q)契約する学生に対し、ネチケットについて、伝えたいこと、注意したいことなどがあればご披露ください。
A)これまでも実際に刑事事件や民事訴訟につながったケースが多数あります。「他の人もやっているから」とか「こういうサイトが他にもあるから」など、軽い気持ちで始めた行為によって刑事罰を受けたり莫大な損害賠償請求を受けます。ネット上で「個人の特定はできないだろう」と思っても、告訴に基づいて捜査が行われると、意外なところから身元は知れます。
  大学内での処分とはレベルの異なる、容赦のない社会的糾弾を受ける事を知って欲しいと思います。



生協インターネットユーザーの行為から発生した民事・刑事事件の例

・親しかった女性を中傷するため、その女性が交際相手を募集している旨の書き込みを、あちこちの掲示板に行った。女性が社会的・精神的被害を被ったとして、高額な損害賠償を請求する民事訴訟を起こした。

・有料サイトのサーバーに侵入し、画像をダウンロード。相手企業から高額な損害賠償請求を受けた。

・ゲーム機専用ソフトを読み込み、海外のサーバーに設けた自分のサイトで公開。著作権団体が刑事告訴。




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