たばこについて
ー喫煙は百害あって一利はあるかー

日本の喫煙率は年々減少傾向にあり,昨年(2000年)の調査では成人の喫煙者は約33%となっています。地域別にみると,北海道が全国で最も喫煙率が高くなっているとのことです。「学生の声」にも高等教育機能開発総合センタ−内に設置してある喫煙スペ−スでのマナ−等について,「喫煙スペ−スの空気清浄器機の外で吸っているため,廊下に煙がながれてきて困る。臭いが気になり吐き気がする。」などの苦情が寄せられています。たばこ(喫煙)が人体に与える影響などについて,(保健管理センター所長武藏 学教授)にお聞きしました。



1.たばこの害について
 たばこには約4000種以上の化学物質が含まれています。その中に200種類以上の有害物質があると言われています。そして約40種類もの発ガン性物質が含まれて,がんの原因の1/3はたばこによると言われています。
 たばこの煙に含まれるおもな有害物質には
  ニコチンと一酸化炭素…動脈硬化を早める
  ニコチン…血管を収縮させ,血液の流れを阻害する
       ので体温低下や肌あれをおこす,胃液の
       分泌を促進するため,胃・十二指腸潰瘍
       を引きおこす
  アセトアルデヒドなどの刺激性物質…のどの粘膜を
       刺激し,呼吸器疾患(かぜ,肺炎)にか
       かりやすくなる
  タ−ル……発癌物質
   などがあります。
 これらの物質は喫煙者本人だけではなく,火のついたたばこから立ちのぼる煙(副流煙)により周りの人にも影響をおよぼしています。
2.喫煙の影響(喫煙者本人、非喫煙者への影響)
 喫煙する本人の体への影響は,息切れがする・咳やたんが出る・胃が痛む・風邪にかかりやすい・肌あれ・記憶力や学習能力が低下する,などがあげられます。喫煙を続けると肺がんを初め他のがんにかかりやすくなり,心臓疾患や胃十二指腸潰瘍,肺気腫などを引きおこす原因となります。
 その他,歯にも影響をおよぼし,たばこに含まれるニコチンなどの化学物質が,歯周病の原因となる菌に対し働く免疫機構の邪魔をする働きをしていると言われています。
 たばこを吸うと本人だけではなく,周りの人にも影響が出てしまいます。
 火のついたたばこから立ちのぼる副流煙には,喫煙者が吸い込んだ主流煙に較べ,ニコチン・一酸化炭素・タ−ルなどの有害物質が,2〜4倍多く含まれています。非喫煙者も喫煙者の吐き出す主流煙,副流煙を吸い,知らず知らずのうちに少量のたばこを自分で吸ったのと同じような状態になります。
3.喫煙習慣について
 たばこに含まれるニコチンは,麻薬などと同様な依存性薬物で,喫煙習慣の本質はニコチンという薬物に対する依存性であるという研究報告があります。
 たばこを吸っている時は,血液中のニコチン濃度が一定に保たれるが,吸わないとニコチン濃度が下がり「たばこが吸いたい!」という欲求が生じ,喫煙するとニコチン濃度が上がり本人は満足する,このサイクルのせいで喫煙が習慣となると言われています。
 禁煙のためのニコチンテ−プやニコチンガムといった薬は,禁煙したときの離脱症状(イライラする,集中力低下など)を一時的に軽減し,体内のニコチン濃度を徐々に減らすことでニコチン依存を治療するものです。
4.喫煙マナー
 当たり前のことですが,喫煙者は学内・学外を問わず「喫煙するときは喫煙スペ−スや灰皿のある場所で「周りの人にいやな思いをさせない」などの社会人としての最低限のマナ−を守り,さわやかな環境維持につとめてください。




メインメニューに戻る