Special Essay

拝啓、学生のみなさまへ
ー先輩からのメッセージー

 甲斐義章といいます。信州大学農学部出身,北海道大学大学院修士課程をこの春に卒業した人間です。2000年度英検1級合格者のひとりです。語学習得について,私の体験を文章にまとめました。
○英語習得方法
 英語で遊んできた。英会話サ−クル運営,語学授業参加,議論イヴェント手伝い,英語カラオケ,そしてTIME輪読など,様々なかたちで遊んだ。そんな″遊び″を始めたのは大学院に入ったあとだ。最近は,ゴスペルを歌い,AFN局のラジオ放送を聴く。
必要なもの、および環境
 先ず興味ありきだ。″もの″と″場所″を選ぶ意志は興味についてくる。大学はいい施設だ。多くの人が活動し,文献が多く蓄積されている。また,大学″外″にも元気な人は多い。学生が,大学の内にのみ閉じこもるのは勿体無い。″学生″の立場は動くのに便利だ。参考までに,2つの場所をお勧めする。

   札幌英会話協会ACCESS:
    http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Icho/9563/access.html

   札幌Pioneer Toast Masters Club:
    http://www.geocities.com/Vienna/Opera/9571/


語学習得のために,必ず要る″もの″はあるのだろうか。学ぶ人の足が″地について″いれば充分だ。学んだ言葉を,人付き合いに用いるも,文章表現にもちいるも個人の自由だ。自らの分を知っていれば,道を外れ過ぎることは無い。そうした態度を持つ人は,いい″もの″といい″環境″を身の側に置いてゆく。
第二外国語
 第二外国語としてフランス語を選んだ。その語感が好きだ。信州大学,北海道大学,それぞれで3人のフランス人にその言葉を習った。皆,特有な″フランス″臭さがあった。その″外側に開いたわがままさ″が心地よかった。フランス語を学ぶ学生にも濃い奴が多い。これも楽しい。フランス語を闊達に喋ることは未だできない。もっぱら仏仏辞典を睨みながら仏本を読むばかりだ。正直,最近はフランス語から遠ざかっている。 クレモンティ−ヌの歌声をときどき聴くのみだ。フランス語が好きな気持ちは今も変わらない。
検定試験を受験する方々へ
 多くの語学試験がある。語学試験そのものへの期待感は,″外国語習得″について勘違いを導くことがある。語学試験や語学学校のうたい文句に踊るのも一興かもしれない。試験そのものに興味がある人はそれでいいかもしれない。ある外国語について,本当に興味を持つ人がいる。やはり″先ず興味ありき″だ。そうした人は一般的な語学試験なら自然に通ると思う。
 TOICEで900,TOEFLで628点を得,英検1級に合格した。国連英検特A級は二次面接で落ちた。この夏にその面接をまた受ける。国連英検は楽しめる試験だ。力試しにとてもいい。″試験勉強″は知識を効率的に整理するいい機会だ。その知識は,創造的にその言語を用いるいい土台にきっとなる。
語学留学の経験
 オ−ストラリアで暮らしたことがある。家族と共に移り,一軒屋を借りて住んだ。語学コ−スに参加する,大学授業にモグる,地元連中と剣道をする,港でカワハギを釣る,歌舞伎公演を手伝うなど,短い一年間を過ごした。1997年春,大学に復学し,学部生4年で卒業論文を書いた。当時,多くの英語論文を意図的に選び,読んだ。1998年春,北大大学院に入った。
学生生活について(問題及び解決法)
 学部3年生までは,文字どおり″無目的″を地で生きた。それなりに楽しい時期であったとも言える。でもそれなりの楽しさしか無いのはわかりきっていた。遊びにも勉強にも中途半端だった。その後,オ−ストラリアで違う自分をみた。ともかくやりたいことを見つけたいと思い始めた。何をするべきかはわからなかった。運良く,取らねばならぬ卒業単位は多く残っていた。授業出席をはじめて楽しんだ。
大学院への進学(動機,勉強方法及び決意時期)
 大学4年生時,梅雨の最中,もう少し学びたいと考えていた。六月初め,参考書を読み始めた。八月の終わり大学院入学試験を受け,運良く拾ってもらった。研究ではうまくいかないことが多かった。独りで思い詰めた。二年を過ぎた時点で学校を辞めようとした。その後,親と意見を違えてまた学校に戻った。論文を仕上げ,修士課程をこの3月に卒業した。失敗したことは多い。このことも結果を出したおかげで″言葉″になった。
就職について
 この4月からマイクロソフトで働く。自分になにができるかわからない。基本的な仕事を学びながら,楽しいことを探してゆきたい。本当にこの気持ちに嘘はないのだ。これは嬉しい。





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