地球環境科学研究科 池田 元美

概 要

 大学院地球環境科学研究科と低温科学研究所は同課題で拠点構築を開始した。生態地球圏システム劇変とは、生態系と非生物地球圏が相互作用をすることによって、環境の自律回復を不可能にするために起こる100年スケールの劇的な変化のことである。
 二酸化炭素排出による地球温暖化、フロンによるオゾン層破壊、開発による森林破壊、そして環境汚染物質は、それぞれが独立に環境劣化を起こすだけではない。森林減少による二酸化炭素吸収低下が温暖化を進め、また温暖化によって森林が減るというように相互に悪影響を及ぼす。これら全体をシステムとして理解し、その変化を予測する必要がある。さまざまな生態系と地球圏の相互作用を対象に、寒冷域と熱帯温帯の対比を通じて、現象の理解と将来予測を試みる。劇変の回避についても、自然をコントロールするのではなく、自然生態系と物質循環のサイクルを助けることをめざす。教育の大きな使命としては、東・東南・南アジアの若手研究者を地球環境科学専門家に育て、地球環境保全の国際連携を構築していく。



地球圏と生態圏のフィードバックの解明・予測と劇変回避策
池田 元美(いけだ もとよし)

昭和21年生まれ、昭和44年東京大学工学部航空学科卒業、昭和49年同大学博士課程修了。そののち海洋物理学に分野を変え、米国科学財団とブリティッシュ・コロンビア大学のポストドクターを経て、昭和58年よりカナダ国立海洋研究所にて北極気候変動の研究に従事。平成6年北海道大学大学院地球環境科学研究科教授就任、平成14年より同大学院研究科長。地球フロンティア国際北極圏研究センターの研究責任者も務めた。



・若土 正曉 ・山崎 孝治 ・吉川 久幸
・乗木新一郎 ・山中 康裕 ・江淵 直人
・南川 雅男 ・本堂 武夫 ・東  正剛
・長谷部文雄 ・豊田 和弘 ・甲山 隆司
・岩熊 敏夫 ・原 登志彦 ・田中  歩
・大畑 哲夫 ・山本興太朗 ・藏崎 正明
・田中 俊逸 ・奥原 敏夫

−P1−

 ■P2>> ■P3>> ■TOP>>