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創造工学教育研究集会の開催―北海道大学工学部・
北海道工学教育協会共催研究集会―

佐伯工学研究科長のあいさつ
佐伯工学研究科長のあいさつ

 工学部・工学研究科では平成13年12月7日(金)午後1時から5時まで北海道工学教育協会との共催で「創造工学教育研究集会」を工学部大会議室にて開催しました 。創造工学教育の重要性は平成8年に八大学工学部長懇談会の下に設置された「工学教育プログラム検討委員会」において指摘されており,創成科目とアウトカムズアセッスメント(達成度評価)の工学教育プログラムへの導入が推奨されてきました。これらを背景として工学部においては平成10年12月11日に「工学における教育プログラムに関するシンポジューム」を開催して以来毎年,国内及び海外における創造工学教育に関する事例紹介を含む工学教育プログラムに関するシンポジューム及び研究集会を開催してきました。また平成11年度より学生の創造性育成を目的に工学専門教育プログラムの中に創成科目の導入とともに,全学教育における一般教育演習科目として「創成型工学実験」を提供し,全学部の学生に受講する機会を与えております。創成型工学実験においては,1.自主的に物事に取り組み,新しい物事を創り出す能力,2.チームで協力し物事を進める能力,3.必要な情報を集める能力,4.自分の考えを人に判り易く説明する能力等の育成を目的として実施しています。創成型工学実験のもう一つの特徴は,同一科目複数教官指導制と学生の学習成果のプレゼンテーションとその評価を行うと同時に,科目に対する学生評価と教官評価を取り入れていることです。この創成科目に対する学生評価は概ね好評であり,その一例を表1に示します。平成13年4月には文部科学省高等教育局専門教育課内に創造教育振興室が,さらに八大学工学部長懇談会の下に新たに「工学教育プログラム改革推進委員会(幹事校:東北大学)」が設置され,工学教育プログラム改革の推進体制が強化されています。本研究集会は創造工学教育の普及と促進のため北海道大学工学部と北海道工学教育協会との共催として,創造工学教育の在り方とその実施例及び成果を公開し将来の工学教育の在り方に関する意見交換を目的に開催されたものです。本研究集会においては以下の講演とともに,道内工業系大学,高専,産業界,学内関係者,工学部教職員約100名が参加し創造工学教育に関する活発な質疑討論が行われました。

開催のあいさつ
   「工学教育におけるものづくり教育」
  :工学研究科長 佐伯浩氏
講演1「ものづくり教育の在り方」
  :文部科学省高等教育局創造教育振興室長 佐久間研二氏
講演2「創造工学教育の在り方と実践方法」
  :東北大学大学院工学研究科教授 庄子哲雄氏
講演3「工学倫理教育の実践」
  :横浜国立大学大学院工学研究院教授  柴山知也氏
講演4「高等教育における理科教育の現状と課題」
  :北海道三笠高等学校校長 中村隆信氏
講演5「北海道大学工学部における創成科目の実施状況」
  :工学研究科教授 工藤一彦氏
講演6「北海道大学工学部における創成科目の学生評価」
  :工学研究科教授 高橋英明氏

(工学研究科・工学部)
 

表1:平成12年度創成科目学生アンケート調査集計結果

大変養われた
少し養われた
ほとんど養われなかった
情報収集能力
171名(39%)
252名(57%)
19名( 4%)
学際力
98名(22%)
284名(64%)
60名(14%)
発想力・論理的思考力
207名(47%)
209名(47%)
26名( 6%)
グループ活動能力
249名(56%)
166名(38%)
27名( 6%)
プレゼンテーション力
110名(25%)
245名(55%)
87名(20%)
国際的能力
55名(12%)
71名(16%)
316名(72%)