去る2002年4月22日から24日にかけて,中国で最も風光明媚な町の1つとして有名な杭州市において,中国浙江大学と北海道大学間で昨年締結された大学間協定を記念して,両大学による合同シンポジウムが華やかな雰囲気の中で,しかも高いサイエンスレベルのもと開催されました。21世紀を迎え,世界の一流大学ではそれに適したレベルの各国の大学と大学間協定を結び,お互いの共同研究,人的交流を通じて国際的にもサイエンスレベルを高めていこうとする動きが活発です。中村総長を中心とした北海道大学執行部も,世界の動きに負けず劣らず,積極的に世界の一流大学と大学間協定を締結していく方針をかかげておりますが,その一環として,今回の両大学合同記念シンポジウムの開催が実現したわけです。浙江大学は数年前複数の大学施設を統合し,現在は20の学部を有する,中国の大学ランクでベスト3に入る,サイエンスで高い評価を受けている研究機関でもあります。
北大側は長田義仁理学研究科長が中心となりシンポジウムの準備を進め,北大の複数の分野から元気の良さそうな教授が(年齢とは無関係に)指名推薦され,今回のシンポジウムで講演をしました。北大からの主な参加者は,中村睦男総長,長田義仁(理学研究科)の他,津田一郎(理学研究科),ぐん剣萍(理学研究科),池田元美(地球環境科学研究科),市川 勝(触媒化学研究センター),野澤俊敬(言語文化部),鈴木 賢(法学研究科),笹木敬司(電子科学研究所),五十嵐靖之(薬学研究科),嘉数侑昇(工学研究科),大内 東(工学研究科)並びに私(医学研究科)でした(敬称略)。
4月22日夜,まず浙江大学主催の歓迎夕食会が宿泊先の杭州市望湖賓館で開催され,私達北大一行は熱烈歓迎接待を受けました。翌日23日は朝9時より合同記念シンポジウムが浙江大学キャンパスで開催され,浙江大学学長・潘雲鶴教授と北大中村睦男総長のあいさつによる記念式典,合同記念写真撮影の後,全体を4つの専門分野に分けてのシンポジウムが開催されました。北大から出席した教授の専門に合わせ,浙江大学からも専門分野の教授が選出され講演をしてくださいました。またその教室の若手も含めた研究者が多数出席してくれたため,極めて内容の濃いシンポジウムとなりました。
午後は,それぞれの北大教授が自分の専門とする分野の研究室を訪問し,今後の共同研究実現に向けての具体的な取り組みを模索しました。たとえば皮膚科を専門としている私の場合は,浙江大学医学部皮膚科のChairman,
鄭敏教授の案内で,大学病院,研究室,皮膚科診療部門などを訪問し,皮膚科入院患者の回診,若手研究者,若手医師などを交えての意見交換などを行うことができました。
22日夜は,今度は浙江大学スタッフを招待する意味で,北海道大学主催の夕食会が開催され,和やかに紹興酒を飲み,かつ,中国料理に舌鼓を打ちながら,両大学の交流を深めました。
21世紀を迎え,大学間の関係もますます国際的となり,今回のような大学間協定締結を足がかりにして,北大発のサイエンスが名実共にさらに充実し,世界に高く評価されることが期待されます。
〔シンポジウムの北大側講演者・講演題目,両大学総長会見及び各分科会報告については,本学ホームページ「ニュースとお知らせ」http://www.hokudai.ac.jp/bureau/news/news-top/china-simpo.htmを御覧願います。〕
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