農学研究科では,文部科学省・生涯学習政策 局・生涯学習推進課が青少年の理科・数学離れ,ものつくり離れ対策として実施する平成14年度大学等地域開放特別事業の一環として,産業用無人ヘリコプターを用いた作物情報センシングの研究を行っている農用車両システム工学研究室(寺尾教授)の協力を得て,小学生を対象とした『なぜヘリコプターは飛べるのか,その原理と仕組みについて』を,この8月19日と20日の2日間にわたり実施しました。
受講小学生は,札幌市立北九条小学校の島崎教頭・松田教務主任にお願いしたところ,5年生と6年生13名と父兄2名(定員15名)の応募がありました。
初日の内容は,教官によるオリエンテーションと当該研究室の概要説明,大学院生によるやさしい航空力学の講義,実機・モデルヘリコプターと飛行操縦シミュレーターの見学,同シミュレータによる操縦訓練の実習でした。参加者1人ずつが交代で,ラジコン用の操作装置をもち,LCDで投影されたスクリーン上に映し出されるヘリコプターを離陸させ,飛行させて,着陸させるというものです。これですといくら墜落や衝突があっても問題はありません。
2日目の内容は,大学院生の指導で,ラジコンのモデルヘリコプターによる飛行操縦体験,竹とんぼの製作と飛行競技会でした。飛行操縦体験は,訓練用の台にヘリコプターを固定して姿勢制御に重点を置いて実施しました。竹とんぼは素材から部品加工と組立てと飛行競技です。
この2日間,全員が無遅刻・無欠席で,熱心に講義を聞き,実技体験中にも盛んに発せられる質問に答える指導側の大学院生・学部学生にとっては,逆に教えられることも多く,準備の苦労を忘れ,楽しく,有意義であったと印象を述べていました。終了後は受講生に受講修了証を授与して散会しました。
最後に,次回への参考にと実施した小学生のアンケートの感想を紹介して,本報告の締めくくりとします。
○パソコンでのヘリコプター操縦では,操作が難しくて大変だったけど,本当に操縦している気持ちになれたし,本物のラジコン操縦ができてよかったです。ヘリコプターの体験や勉強ができて,夏休みのいい思い出になりました。
○竹とんぼ作りは奥が深くて難しかったです。今度は自分でもっと上手に作ってみたいです。ラジコンヘリコプターを初めてさわって動かせたのが楽しかったです。ヘリコプターがなぜ飛ぶかよくわかってよかったです。
○難しいところも質問すればすぐにくわしく教えてくれたのでよくわかりました。ヘリコプターの操縦がとても難しくてびっくりしました。
(農学研究科・農学部)
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