お知らせ

「遠友学舎談話会」を開催

 遠友学舎企画行事として,「遠友学舎談話会」を開催します。
 市民や高校生・学生にお知らせくださるよう願います。

「遠友学舎談話会」

 札幌農学校教員・新渡戸稲造博士と学生たちが,義務教育をおえることなく就業していた,あるいは中等教育を希望しながら就学が困難であった少年少女を「遠友夜学校」に迎えて,勉学にいそしんだことをご存じでしょうか。遠友夜学校は1894(明治27)年に発足し,1944(昭和19)年に閉校を余儀なくされるまで50年間存続しました。このような歴史を踏まえて「総長室炉辺談話」に引き続き「遠友学舎談話会」を催すことといたしましたので,御案内いたします。
 この催しは,平成13年9月北大創基125周年を記念して,多くの方々の醵金(きょきん)によって建った「遠友学舎」で,本学が普段研究していることを,市民や高校生・学生のみなさんに聞いていただくものです。

 期 間/平成14年11月〜平成15年7月
 開催日/毎月第1・第3木曜日 19時〜21時(1月,4月,5月のみ第2・第4木曜日)
 会 場/遠友学舎(札幌市北区北18条西7丁目)
 入場無料,直接会場にお越しください。


日程・講師・話題
日 程
講 師
話題及び概要
11月7日 理学研究科
 助教授  鈴木 教世
においを感じるしくみ
嗅覚の多様で高度な機能は,におい分子を受容するセンサーである嗅細胞とそれからの情報を処理する嗅球や大脳の嗅覚神経系の働きによる。脊椎動物に共通する嗅細胞や嗅覚神経系の働きの原理についてお話する。
11月21日 医学研究科
 教 授  澤口 俊之
「人間らしさ」をつくる脳
「人間らしさ」をつくる脳領域は前頭連合野である。
最近の研究で,前頭連合野の中心的機能は脳内の操作と他者の脳の操作(脳間操作)にあることが分かってきた。こうした操作系が人間らしさをつくるらしい。
12月5日 文学研究科
 名誉教授  田中 亨英
不正をしない理由−ソクラテスの場合−
私たちが不正をしないのは,それが悪いことだから?
それとも,結局は損だから? ではソクラテスの場合は?
友人たちが計画した牢獄からの救出をかれが拒否した本当の理由を,プラトンの『クリトン』から探る。
12月19日 工学研究科
 教 授  角  幸博
歴史的建造物の見方・しらべ方
地域性形成やまちづくりに,歴史的建造物は大きな力となる。北海道やサハリンの歴史的建造物を中心に,その見方・しらべ方・楽しみ方を通して,保存や活用の方策を探る。
1月9日 農学研究科
 教 授  三島 徳三
地産地消こそが豊かで安全な食生活をつくる
BSE(狂牛病),偽装表示,農薬づけの輸入農産物など,最近は食べ物に関する不安が噴出している。これらの問題の要因と背景をえぐり,豊かで安全な食生活をつくり上げるため地産地消の方向について語る。
1月23日 教育学研究科
 教 授  須田   力
積雪・寒冷地における運動と健康
雪と寒さに閉じ込められがちな北国の冬。でも私たちは,雪と寒さを逆手にとった運動によって,一層健康を手に入れることができます。その秘けつを一緒に考えてみましょう。
2月6日 歯学研究科
 教 授  福田   博
唾液と健康
唾液および唾液腺は,口腔の健康と機能を維持する上で重要な役割をはたすとともに,全身的にもさまざまな役割を有している。ストレス社会,高齢者問題などにも触れ,唾液と健康について考える。
2月20日 薬学研究科
 教 授  鎌滝 哲也
遺伝子と体質:テーラーメイド医療と発がんリスク
ヒトのゲノムの解読がほぼ終って,次は意味のある遺伝子の解析へと進んでいる。ここでは,遺伝子にまつわるテーラーメイド薬物療法や発がんリスク,それにこれから何が起こってくるのかなど考えてみたい。
3月6日 法学研究科
 教 授   畠山 武道
法律の先生が語るダムの話−脱ダム宣言の裏表−
脱ダム宣言をした田中さんが,圧倒的多数で知事に再選されました。なぜ長野で脱ダム宣言なのか。なぜ工学部の先生ではなく,法学部の先生がダムの話をするのか。河川法の話なども交えて問題を考えます。
3月20日 獣医学研究科
 教 授  大泰司紀之
「北方四島」の自然とその保全
北大総長経費などにより北方四島の調査を行った結果,非常に豊かな原生的生物多様性が復元されていた。日露政府はこの世界的遺産を保全する義務があり,北大は,その博物学の伝統を生かして,協力する必要がある。
4月10日 水産科学研究科
 教 授  高橋是太郎
食の供給と安全
食料供給の現状と今後の見通しについて考えます。地球環境の変化が食料生産に及ぼす影響に触れ,今後の安定供給のためには農薬の使用が不可欠であり,遺伝子組み換え食品の利用が避けられないことを述べます。
4月24日 経済学研究科
 教 授  吉野 悦雄
辺境の農業と農民はどう生き残るか−東欧の事例
ポーランドやベラルーシなどはEUという西欧の辺境地帯に位置付けられることになりました。世界市場に組み入れられる結果,北海道農業と同様に苦しい状況に置かれる農民たちはどのようにして生き残るのでしょうか。
5月8日 地球環境科学研究科
 教 授  池田 元美
地球環境科学研究科のCOE
地球環境科学研究科が申請したCOEの概要を述べるとともに,地球環境研究の重要性について概説する。
5月22日 理学研究科
 助教授  田中  実
生命科学分野で活躍するメダカ達
メダカは長年日本人によって愛されてきた。近代日本の研究者達によって邁集された様々なメダカ達が,最先端手法と合わさって生命科学で非常な価値を持ち始めた。具体的にメダカが最先端でどう活躍しているかをお話ししたい。
6月5日 国際広報メディア研究科
 教 授  古賀 弘人
イタリア人にとっての芸術
ルネサンス期のイタリア人にとって美術・建築は自らの力量を世界に向かって広報する強力なメディアでした。その実相を,巨匠たちが魂をこめた美しい作品によって鑑賞します。
6月19日 医学研究科
 教 授  玉城 英彦
高齢者の健康増進とQOLの向上に向けて
わが国では,全人口の三分の一が65歳以上の高齢者になろうとしている現在,その高齢者の健康とQOL,その社会参加をいかに向上させるかは21世紀の最大の課題である。この課題についてみんなで考えてみたい。
7月3日 工学研究科
 助教授  萩原  亨
視覚心理学から見た歩行者事故
都市内での歩行者事故の特徴について解説する。特に,歩行者と運転者の視覚に着目する。高齢歩行者が事故に遭遇する率が高いのはなぜか,右から横断してくる歩行者と車の事故が多いのはなぜか?視覚心理を通じて,分析する。
7月17日 農学研究科
 教 授  諏訪 正明
虫の惑星
多くの虫は一般にはただ嫌われる対象でしかない。しかし,いなくては人間が困る虫は多いが,人間がいなくて困る虫は極めて少ない。虫を通して生物の多様性や地球環境を考えて見たい。

(学務部学生課)