儀 我 美 一(ぎがよしかず) 氏
このたび,本学大学院理学研究科
数学専攻 教授 儀我美一氏が,米国の科学情報研究所(トムソンサイエンティフィックISI社)の数学分野におけるHighly Cited
Researchersのメンバーに選ばれました。
米国の科学情報研究所は,1981年から1999年までに収集した1,900万件の学術文献について,21分野に分類し,引用された文献の著者を分野ごとに分析しています。
現在,被引用回数の多い著者を,Highly Cited Researchersに順次選定を行っているところです。数学分野では全世界から249名が選定され,日本からは同人を含めて3名が選ばれました。
同人の専門は,数学解析学,特に非線形拡散型偏微分方程式論で,非線形非平衡現象の解明のための基礎的数学分野です。
同人の業績のうち特に被引用回数の多いものは以下のとおりです。
第一に,結晶形状の動きを記述する「界面運動方程式」について,「等高面の方法」の数学的基礎を確立し,結晶がちぎれたりぶつかったりした後も方程式で解く事を可能にした事です。この方法は現在画像処理にも広く用いられています。
次に,燃焼理論に関連する半線形熱方程式の「爆発解」の挙動を解析する手法を開発した事です。
また,流体力学の基礎方程式である「ナヴィエ・ストークス方程式」について,初期速度が滑らかとは限らない場合に対して,数学解析への道を開いた研究も多く引用されています。
(理学研究科・理学部)
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