北海道大学教育ワークショップが「厳格な成績評価」を主テーマに11月8日(金)及び9日(土)の両日,奈井江町の「農業構造改善センター」を会場に合宿形式で開催されました。
このワークショップは,本学のファカルテイディベロップメント(FD)の一環として高等教育機能開発総合センター高等教育開発研究部が中心となって企画・運営するもので,本年度は総長をはじめ,本学教官39名及び他大学教官5名の総勢44名が参加しました。
今回のワークショップでは,「厳格な成績評価」に焦点を当てて活発な研修会を行いました。
「厳格な成績評価」は,学生の自主性を引き出し,学生に知的な刺激を与えるためのかぎになるものであります。また,それぞれの授業の目的を明確にし,受講する学生に対して努力するべき方向性を示すのが成績評価の役割であり,それを厳格に行うことは,社会に対する説明責任を果たすことでもあります。
ワークショップは,次の作業目標及びグループ作業テーマのもと,ミニレクチャー,グループ作業,全体討論が1つのセッションとして構成され,ワークショップ自体がインタラクティブな授業の1つの例となっています。グループダイナミックス,討論の組織など学生参加型の授業を体験するように企画されました。
作業目標
大学教育についての基本と教育改善のための方略を身につける。
1)大学という教育機関における教育の在り方の基本理解
2)カリキュラム設計,シラバス表現の基本
3)教育理念と目標の理解,授業設計指針の作成
4)シラバスと厳格な成績評価基準の作成
5)学生中心授業の体験
グループ作業テーマ
以下の条件のもとで科目設計を行い,その過程で,教育の基本的要素,授業設計の実際,授業法の改善,評価法などについて学ぶ。
1)分野別科目:哲学,歴史学,文学関係
2)分野別科目:社会科学関係
3)分野別科目:科学・技術関係
4)実験・実習
5)一般教育演習(理科系)
グループ作業は,リーダー,発表,発表OHP作成,記録の役割分担を決めて進められ,定められた時間内に,スケジュールを次々とこなしていきました。
また,今回は,夕方から総長の参加をいただきました。「北大をめぐる環境の変化と教育政策」について講演を行い,夕食時には総長を囲んで独立行政法人化等々の諸問題について活発な意見交換が行われました。
最後に参加者全員による感想や意見が述べられました。実際の授業科目に係る授業設計から成績評価までの一連のプロセスについての研修であり,大変参考になりました。厳格な成績評価の難しさを痛感しました。日程的にはやや過密である等々の意見が出されましたが,全員が真剣に取り組み,内容のある研修会でした。
今回の成果を,成績評価についての一般的なガイドライン作成に生かすことを考えています。
なお,ワークショップの詳細については,12月に発行のセンターニュースに掲載する予定でおります。
(高等教育機能開発総合センター)
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