平成15年10月1日に理学研究科に「計算分子生命科学講座」と「生命分子機能学(塩野義)講座」の2つの寄附講座が設置されました。それぞれ開設期間は,平成15年10月1日から平成20年9月30日の5年間となっております。
生物科学専攻(高分子機能学分野)「計算分子生命科学講座」はサン・マイクロシステムズ株式会社からの奨学寄附金により設置されました。
インフルエンザ等の疾患は,ウイルスが持つ特定のタンパク質が生体内の特定の糖鎖を認識することで発症するといわれています。その認識は分子間の相互作用によって起こりますが,これらの分子認識過程は未解明の部分も多く,また既知の知見も系統的な整理はされていません。現在飛躍的に進歩しているコンピュータの利用が感染の機構や治療法,予防法の研究を加速させることが期待されています。本講座では,計算科学的手法及びバイオインフォマティックス的手法を用いて生命現象の解析,及びデータベース化とその活用研究を行います。また,コンピュータシミュレーションによる予測結果を具体的に検討するため,化学合成に立脚した研究手法による解明も進めます。だれもが願う病気と無縁の社会をつくるための第一歩を切り開くために本講座の設置となりました。
本講座は三浦信明氏が寄附講座教員(客員助教授)として,長堀紀子氏が寄附講座教員(助手相当)として着任し,理学研究科のみならず医学研究科等の関連部局の研究者と協力してこの分野の研究推進と人材育成を行います。
生物科学専攻(高分子機能学分野)「生命分子機能学(塩野義)講座」は,塩野義製薬株式会社からの奨学寄附金により設立されました。
本講座では,主に,遺伝情報の翻訳後修飾(特に糖鎖修飾)によるタンパク質機能・構造の制御機構に関する基礎研究を行っています。
寄附講座教員(客員助教授)として福原法夫氏,貞許礼子氏の2名が,また,寄附講座教員(助手相当)として越田周平氏が就任し,理学研究科や医学研究科等の研究者と協力して,研究の推進や大学院生の指導に当たっています。
(理学研究科・理学部)
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