去る10月16日,獣医学研究科・獣医学部において,学生,教職員,同窓生及び工事関係者参列のもと,獣医学部同窓会から寄贈された新しい動物慰霊碑(畜魂碑)の除幕式が行われました。
新しい石碑は日高浦河の山中から掘り出された巨大な白御影石を材料としており,碑の正面には,廣重 力元総長の揮毫による「畜魂碑」の文字が刻まれ,裏面には,碑の由来を記したパネル板が埋め込まれています。石碑は,一対の狛犬の石像と石燈籠に守られるようにして建てられていますが,これらは,本学部の教育研究用牛馬の飼育管理を長年にわたり担当された元用務員の故繁名定三氏が,御自分が世話をした動物たちの供養のために昭和44年及び同47年に寄贈されたものです。
石碑裏面のパネル板には以下のように記述されています。
「本畜魂碑は本学獣医学部並びに獣医学研究科において,獣医学教育研究のために供された多数の実験動物並びに本学附属家畜病院において治療の効無く死亡した家畜,愛玩動物に対して,厚い感謝と深い哀惜の念を籠め,これら動物達の魂を慰霊するために建立されたものである。
最初の畜魂碑は昭和23年(1948年)7月20日旧家畜病院横に建立されたが,学部新校舎建設に伴い昭和39年(1964年)現在地に移設された。以来五十有余年の星霜を経て石碑の損壊甚だしきところ,この度,獣医学部創立五十周年を記念して,多くの人々等から浄財が寄せられたことにより,新たなる畜魂碑がここに完成した。旧石碑は新碑の地下に埋伏されている。
動物の生命に対する我らの
敬虔にして慈しみに充ちし心を永遠に。」
石碑は,本研究科の実験動物舎前に建てられており,動物舎に出入りする学生諸君も,この碑を目にする都度,獣医師の責任の重さを改めて実感してくれることでしょう。
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