部局ニュース

21世紀COEプログラム
「スラブ・ユーラシア学の構築」国際シンポジウム・国際若手ワークショップ開催される

シンポジウム風景
シンポジウム風景
 去る1月28日(水)から31日(土)にかけて,21世紀COEプログラム「スラブ・ユーラシア学の構築:中域圏と地球化」主催の最初の国際シンポジウム・国際若手ワークショップ「旧社会主義諸国に出現しつつある中域圏:歴史は甦りつつあるのか,それとも創作されているのか?」が開催されました。この2つの催しには,ロシア,ウクライナ,アメリカ,イギリス,エストニア,ベラルーシ,リトアニア,ポーランド,アルメニアの9か国及びアブハジア,プリドニエストルという非承認2か国から22人の研究者が招かれ,125人の日本人・日本在住研究者が参加しました。ペーパーの総数は33本にのぼりました。報告,討論は主に英語で行われ,英露間の同時通訳がなされました。
 上記COEプログラムの中心的な概念である「中域圏」は,スラブ・ユーラシア研究のみならず,他地域の研究にも適用可能なものとして提案されています。したがって,シンポジウムには,日本各地から,ヨーロッパ,中国,イスラム圏の専門家も招かれました。
 このシンポジウム・ワークショップの目的は,「中域圏」概念を練り上げること,日本のスラブ研究をスラブ・ユーラシア研究へと飛躍させるきっかけを作ること。そしてそのために,バルト諸国,コーカサス,モルドワ,ベラルーシなど,日本でこれまできちんとした研究が存在していながらマージナルな位置に置かれてきた国々への関心を喚起することでした。イスラム急進主義や非承認国家を扱うセッションを組織するに当たっては,問題のアクチュアリティーも考慮されました。
 国際若手ワークショップには4人の外国人研究者が招かれました。日本人報告者は5名でしたが,その選抜に当たっては公募競争の形がとられました。このような試みは,日本人研究者に,若いうちから国際的な場で,英語で発表する経験を積ませると同時に,前途有望な外国人若手研究者を最初から知日派にしてしまうことを狙いとしていました。

(スラブ研究センター)


前のページへ 目次へ 次のページへ