低温科学研究所附属「環オホーツク観測研究センター」を設置 |
4月1日,低温科学研究所附属「流氷研究施設」を廃止・転換し,「環オホーツク観測研究センター」が,所内に設置されました。
オホーツク海は世界でもっとも低緯度で結氷する海であるため,地球温暖化の影響が海氷の変動として鋭敏に現れる,いわば気候変動のセンサーとも言える海域であり,また同時に,高い生物生産性を誇る海でもあります。低温科学研究所では,1996年COE研究機関に指定されて以来,「オホーツク海と周辺陸域」を対象に,様々な国際共同研究プロジェクトを展開してきました。
「環オホーツク観測研究センター」では,これまでの研究実績に基づき,環オホーツク地域の自然環境を支える気象・海象条件を最新の観測機器を使って継続的にモニタリングし,コンピュータ・シミュレーションを通じて,植生や海域の生物生産力とも複雑に絡み合った自然現象の解明を目標としています。本センターは,海域変動予測分野,陸域変動予測分野,大気変動予測分野の3分野から構成されています。
水産資源の宝庫であるオホーツク海の生物生産力の変動は,オホーツク海沿岸地域のみならず北海道の経済活動にも影響を及ぼすものであり,本センターによる研究は,地域貢献・社会貢献としても重要な意義をもつと考えています。
また,本センターを環オホーツク研究ネットワークの研究拠点として,オホーツク海を取り囲む各国の研究機関と連携を図り,世界に先駆けた研究を展開しようとするものです。
本センターの開設式が4月1日に挙行され,本堂武夫所長,若土正曉センター長により,センターの新しい看板が掲げられました。 |
(低温科学研究所) |
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