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「冬の植物園ウォッチング・ツアー」を開催

 北方生物圏フィールド科学センター植物園では,平成16年2月28日(土),29日(日)の両日に,市内及び近郊の小学生とその家族を対象とした「冬の植物園ウォッチング・ツアー」を開催しました。
 このウォッチング・ツアーは,平成11年「大学等地域開放特別事業」の一環として始まったもので,今年で5年目となりました。今回は生物の多様性の学習及び厳しい冬を暮らす生物の観察を目的として,主にマツの木と野鳥を観察しました。小学生23名,保護者17名,あわせて40名の参加者が集まりました。
 前半はまずマツボックリの大きさや形,葉の数,種子や樹皮に注目して,実物に触れながらヨーロッパクロマツやチョウセンゴヨウを観察しました。子供たちは種類によって様々な違いがあることに驚いていました。続いて博物館でマツの種子を食べる身近な動物として,エゾリス,シメ,アカゲラなどのはく製を見学しました。マツの種子と動物との食う食われるという関係が,実はお互いに好都合であることについても面白みを感じているようでした。また樹木が既に春の準備をはじめていることをイタヤカエデの樹液が出る様子から観察し,その樹液の試飲もしました。その後かんじきを履いて,深雪を踏みしめながらアカマツやドイツトウヒなどを観察しました。子供たちのほとんどはかんじきを履くのは初めてとのことでしたが,すぐに慣れた様子で雪の上を歩くことを楽しんでいました。
 後半は,園内で観察したマツボックリを主に使って工作を行いました。子供ならではの自由な発想を生かし,ダイナミックなものから可愛らしいものまで個性あふれる作品を次々に作り,記念に持ち帰ってもらいました。そのほか参加児童には北大植物園オリジナル「マツボックリカード」を配布し,今回の復習教材として,また今後来園していただく際の資料として役立つよう配慮しました。
 植物園は都会の真中に残る自然と共生しつつ,植物の遺伝資源の保存と展示,また多数の博物標本の収集管理を行っています。今後も大学の研究者や学生が利用するだけではなく,市民が自然について学び親しむ場としても提供していきたいと考えています。

へぇ〜マツボックリって不思議だね
へぇ〜マツボックリって不思議だね
 
この鳥はアカゲラって言うんだね
この鳥はアカゲラって言うんだね
何が見える?
何が見える?
樹液,おいしい?
樹液,おいしい?
カンジキ,意外と簡単だね 参加児童にはオリジナル「マツボックリカード」をプレゼント
カンジキ,意外と簡単だね
参加児童にはオリジナル「マツボックリカード」をプレゼント
ぼくはスポーツカーを作るんだ
ぼくはスポーツカーを作るんだ
(北方生物圏フィールド科学センター)

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