教育学研究科附属乳幼児発達臨床センターは,子どもの発達を総合的臨床的に研究するために,就学前の子どもたちを対象とした「実験保育室(通称:北大幼児園)」を運営しています。日常的に関与しながら観察できる利点を生かし,子どもが育つ社会的環境のデザインや保育の質の検討も含めて,乳幼児期の子どもの発達と保育実践に対して,より包括的な観点からアプローチしています。子どもたちは4歳になった春に北大幼児園に入園し,就学前の2年間を保育的環境の中で過ごします。
その北大幼児園にて,去る3月13日に第52回卒園式が行われ,12名の子どもたちが巣立っていきました。園児の御家族の方々をはじめとして,研究や運営に関わってくださった先生方や学生・院生のみなさんも大勢参加して,子どもたちの晴れの姿を温かく見守ってくださいました。
証書と賞状の授与では,2年間の思い出とともに,子どもたち一人一人の大切な個性に対する先生方の共感と期待が手渡されました。その後には,それぞれの子どもたちが,小学生になることへの希望を立派に発表し,会場は様々な思い出や感動に包まれました。卒園児による「お別れの言葉」は,12名全員で年長の1年間を思い出しながら協力してつくりあげたもので,壇上から参加者に向かってそれを語りかける姿は,大きな自信と誇りに満ちていました。そして子どもたちによる「うた」では,年少児と年長児のこの1年間の経験とつながりの深さが参加者の胸に響いてきました。こうして,残雪の中にもかすかに春の息吹が感じられる日,北大幼児園にふさわしい,多くの人たちに支えられた手作りの素敵な卒園式が行われました。 |