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士別市で行われた教育学研究科公開講座
熱心な受講の下に終了

 平成17年1月11日から2月1日まで合計7回にわたって,教育学研究科の公開講座が士別市で行われました。今年は「若者が生き生きと活躍するマチづくり」をテーマとして,地元のNPO的団体「士別市人づくり,まちづくり市民会議市民広場みなくる」との共催のもとに,実施されました。2月6日には,公開講座を受けてのシンポジウム「若者支援の発達学習支援のネットワークデザイン」が開催され,熱心な討議がなされました。
 今回の講座は次のような背景と現実認識から生まれました。すなわち,過疎化が進行し,隣町と合併の動きもある士別市で,行政は少子高齢化への対応に追われ,地元企業では就労の受け皿がどんどん減少し,このまちで暮らしたい働きたい,と思っている若者は決して少なくないのに,気が付くと若者の顔が見えない,今の若者は何を考え,どんな要求を持っているのかわかりにくくなっている,まちづくりの場に,若者がどのような参加が可能なのかを明らかにしたい,という地元の声がありました。それを受け止めて,昨年7月から教育学研究科の講座講師スタッフは継続的に,市内の学校,事業所,各種団体,個人を対象に調査してきました。公開講座は,その調査結果をもとにして市民の人々と共に問題解決の方向を探ろうというねらいで行われました。<若者の居場所・大坂祐二><若者雇用問題の構造と実態・上原慎一><高校生の将来志向と地域定着意識・浅川和幸><地域と共にあゆむ高等学校・横井敏郎><若者集団の歴史的展開と再生の可能性・姉崎洋一><地域スポーツクラブの展開・大沼義彦><士別市における青少年の発達資産・田中康雄>が各回のテーマと講師でした。公開講座とシンポジウムを通じて共有された感想は,「調査のデータをもとにもっといろんな場で話し合いたい」「若者も夢を持って楽しいことをしたいと思っていることが分かった」「若者は安心してくつろぎしゃべり活動できる楽しい居場所を求めている」「はたらきに通じる生きた情報が求められている」「ワークシェアリングの可能性を探求したい」「地域の若者と他の集団,様々なグループをつなぐ役割に市民広場みなくるの位置が大きいことがあらためて分かった」などでした。なお,今回の調査をもとにした報告書も近日刊行されることになっています。

講義風景 講義風景
講義風景
(教育学研究科・教育学部)

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