平成17年1月1日付けで薬学研究科医療薬学専攻に「創剤薬理学(トランスキュー・テクノロジーズ)講座」が寄附講座として設置されました。
創剤薬理学(トランスキュー・テクノロジーズ)講座は,トランスキュー・テクノロジーズ株式会社からの寄附金により設置されたもので,開設期間は,平成17年1月1日から平成21年12月31日までの5年間となっています。
同講座では,医薬品の経皮吸収システムの検討・確立を中心に,臨床上有用な各種医薬品の疾病治療作用と安全な臨床応用をめざした研究を動物実験により基礎的に検討します。電場中にイオン解離した薬物分子を置き,特定方向に移動させるとともに特殊膜を組み合わせることによって,薬物を選択的に高効率で生体内に送達する新規送達システム(DDS)を用いて,比較的高分子量の生理活性物質を非侵襲的に経皮投与することを検討し,投与制御に基づく治療薬理学的研究を実施します。本技術が確立すると,インスリンを注射器なしで経皮から投与することが可能となり,患者さんのQOL向上に役立つことが期待されます。
寄附講座教員として,客員教授には野崎正勝氏(財団法人生産開発科学研究所薬理研究部部長兼学術顧問),講師相当として小暮健太朗氏(独立行政法人科学技術振興機構博士研究員)が就任され,本研究科の関連分野と協力してこの分野の研究推進及び人材育成を行います。
平成17年2月3日(木)には,本研究科第2講義室において,開設式及び記念講演会が行われました。記念講演会では,寄附者である松村昭彦氏(トランスキュー・テクノロジーズ株式会社代表取締役社長,本学法学部昭和55年卒)が「我が社の今後の展望について」と題して,客員教授の野崎正勝氏が「TCT-QOL向上と最適医療を指向する新規経皮投与技術」と題し,約70名の職員・学生を前に寄附講座の目指すところを講演しました。
同日午後5時30分からは,本学百年記念会館において同講座開設記念懇親会が開催され,同日,次期総長候補者に選考された中村睦夫総長や薬学部同窓生の大塚榮子監事から激励のあいさつをいただき,関係各位で同講座の今後の発展を祈念しました。
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(薬学研究科・薬学部) |
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開設式において,寄附者(トランスキュー・テクノロジーズ株式会社代表取締役社長 松村昭彦社長)を紹介する,野村靖幸研究科長 |
開設記念懇親会であいさつする中村睦男総長 |
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