丹保基金による事務職員海外派遣事業
「オークランド大学での研修を終えて」 |
| 学術国際部国際企画課 菅 原 暁 子 |
このたび,「丹保基金による事務職員海外派遣事業」によって2004年12月3日から2005年2月26日までの約3ヶ月間ニュージーランドのオークランドにおいて語学・国際交流実務研修を行わせていただきましたので,その概要を報告します。
オークランド大学は2004年3月に大学間交流協定を締結したばかりであり,また附属の語学学校English Language Academy(以下ELA)の授業内容も充実していることから,よりいっそうの交流促進を図るためにも研修を行うには最適の場所でした。前半は語学研修を行い,後半は職場研修に重点を置いてオークランドでの生活を送りました。
オークランド市・オークランド大学
オークランドは人口約130万人。マオリ,ポリネシア,ヨーロッパ,アジアの人種・文化が融合した国際都市です。研修期間中の季節は春から真夏になる頃であり,日本の約7倍の紫外線量かつ,日照時間が夜10時近くまでだったこともあり,サングラスと日焼け止めは毎日の必需品でした。
オークランド大学は1883年創立,5つのキャンパスにまたがる8学部・大学院,80以上の研究施設を擁するニュージーランド最大・最高の研究重点型大学です。特筆すべきは,約33,500人の学生のうち,約5,400人が留学生であるということです。また,「アジア・オセアニアで最も大規模で優れたビジネススクールを作る」ということで,現在巨大なビルを建築中であり,多くのスタッフを世界各国から採用するとのことで,今後益々国際的な教育機関になることが予想されます。
語学研修コース
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| クラスメートと |
ELAにおいて午前中3時間のレベル別クラスと午後2時間の選択授業からなるビジネス・一般向けのコースを受講しました。授業はディスカッション中心で,自分の考えを積極的かつ正確に伝えることに焦点をあてながらも,文法学習をバランスよく盛り込んだものでした。宿題を毎日添削し,より良い表現方法などを教えてくれる素晴らしい講師にも出会い,話す・聞くだけではわからなかった自分の苦手分野が,文章を書くことによって明らかになり,日々改善されていく手ごたえがありました。
アジア,ヨーロッパ,南米の生徒が在籍するクラスは様々な個性を認め合うという意味においても本当に勉強になりました。コロンビアの生徒達は本国の治安悪化によって海外への移住を真剣に考えている人たちが多く,英語の習得に対する情熱はラテン系の明るさ・積極性と相まってすさまじいほどでした。彼らと共に過ごしたことによって,自分自身に新たなエネルギーが備わったと感じています。
国際交流担当副学長・特別専門職員オフィスでの研修
国際交流担当副学長Dr. Tremewanの特別専門職員オフィスに研修生として受け入れていただき,オークランド大学の学生・研究者を日本に派遣するにあたっての情報収集などを行いながら,本学の留学生受入れプログラムの説明,また大学関係者による表敬訪問などを見学させていただきました。
オークランド大学は今後より多くの留学生を受け入れ,そして協定先へ派遣したい希望を持っており,積極的な留学生支援の一環として,多くの留学生に大学独自の奨学金を与えています。しかし,日本の大学のほとんどがそれを有しておらず,外部団体の資金を得ることになるため,優秀な留学生に対してもっと積極的な支援を行ってくれたら,より多くの学生が日本へ行くだろうとの意見が多く聞かれました。
International
Officeでの研修
前述のオフィスに属しているInternational Officeの一員として,帰国前1週間に渡って行われた新入生向けのオリエンテーションに参加させていただきました。これは学事担当部署が中心となり,各関係者と連携した大規模なもので,新入生にキャンパス生活のみならず,オークランドでの新生活を始めるにあたってのあらゆる情報を提供する場となりました。
また,学生ボランティア団体Uniguidesのメンバー10人がそれぞれ,最初の6〜8週間,同じ学部に入学してきた学生の面倒を見ることになっており,彼らとの対面が初日に行われました。不安な気持ちで入学してくる新入生にとって,先輩のサポートはたいへん心強いようであり,大学の運営には学生達の力が非常に重要だと実感しました。
ホームステイ
ホームステイを選択した理由は,3ヶ月という短い期間の中であっても,どうしても,ひとつの家族と深い絆を作りたかったからです。幸運なことに,とても素晴らしい家族と出会えて,その希望は叶いました。初日から,「帰国する時はきっと号泣してしまうだろう」と思う程,すんなりと家庭の中に溶け込ませてくれました。
さらに良いことには,他にも数人の留学生が滞在していたので,彼らとの交流もたいへん有意義だったことです。国籍も日本,韓国,スイスと様々,また滞在期間もそれぞれ違うので途中でかなり入れ替わりがあり,合計6人の留学生と暮らしました。語学学校へ通っている者同士,良きライバル,友人,家族でした。
おわりに
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| ホームステイ家族と |
国籍,年齢,文化,価値観も違う多くの人々と触れ合い,学び,友情を築くことができたのは,何ものにも変えがたい経験であり,財産です。今まで日本に全く関心がなかったというクラスメートが私に出会ったことによって,「日本をもっと知りたい,日本に行ってみたくなった」と言ってくれたことは本当に嬉しい一言でした。また,職場研修で私の世話役をしてくれたMr.
Naidooは「自分は日本語ができない。あなたが英語を話してくれるから,私たちはコミュニケートできる。これは素晴らしいことなのだから,もっと自信をもつべきだ。」と言ってくれたことも,私を支えてくれた言葉でした。個人を認め,助け合うことの素晴らしさ,ニュージーランド人の優しさ(KIWI
Hospitality)をこの研修で学ばせていただきました。この経験は,今後,仕事のみならず,人生すべてにおいて,影響を与えることと確信しています。
また,帰国後はオークランド大学との国際ジョイント・シンポジウムに実行委員として参加する機会を与えていただき,両大学の一層の交流促進に関われたことをたいへん嬉しく思います。
研修中に出会った職員たちのプロ意識の高さを見習い,これから一層の努力を積んで,本学の国際交流に貢献したいと考えます。
滞在中,幾度も思ったことですが,このような貴重な経験をさせてくださった丹保憲仁・元総長,中村睦男総長,中村研一副学長はじめ,齊藤事務局長,門田学術国際部長,川野辺国際企画課長,国際企画課,その他職員の皆様,温かく受け入れてくださったオークランド大学関係者の皆様に心から感謝申し上げますとともに,今後も国際業務に関心のある多くの事務職員にこのような機会が与えられますことを願います。本当にありがとうございました。
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