低温科学研究所に南極から約100万年前の氷コア搬入 |
南極ドームふじ基地(標高3,810メートル)で氷床掘削を進めていた第47次南極地域観測隊は,平成18年1月23日(月)に深さ3,028.5メートルに到達し,約100万年前の氷コアの採取に成功しました。同基地周辺の氷の厚さは,3,030メートル(プラスマイナス10メートル)と推定されていますので,岩盤まであとわずかのところまで到達したことになります。これは,平成15年から3シーズン(夏期)で到達した快挙です。今回の掘削は本学から2名の観測隊員が参加して行われましたが,このような迅速な掘削は海外でも前例がなく,低温科学研究所技術部を含めた技術陣と研究者の協働のたまものです。4月16日(日)に,今回掘削に成功した深層部の氷コア約2トンが,低温科学研究所の超低温保存室に搬入されました。この保存室は,大量の氷コアを−50度で長期間保存することのできる世界唯一の設備で,氷コアの内部に含まれる“空気の化石”とも呼ばれる微結晶(空気ハイドレート)を10年以上の間安定に保つことができます。
今後この氷コアを分析して,過去100万年にわたる地球環境の変遷,特に大気および大気と共に運ばれる様々な化学物質の変遷を解明する研究を全国の研究者と共同で行います。
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約100万年前の氷コア |
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(低温科学研究所) |
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