医学研究科でJICA国別研修
「ナイジェリアHIV感染予防対策」コースを実施 |
医学研究科は,JICA(国際協力機構)から国別研修の委託を受け,8月21日(月)から9月9日(土)に,「ナイジェリアHIV感染予防対策 II 」コースを実施しました。
ナイジェリア保健省をはじめ,同国内の大学,保健医療機関でHIV対策に従事する男女8名が研修生として来日。研修生は,HIV感染症対策に携わる日本の関係機関の責務,検査・カウンセリング体制,輸血・血液分画システム,PLWHA(People
Living With HIV/AIDS)に対するケアの理解を通じ,ナイジェリアでの適用可能性を検討しました。
ナイジェリアは,2003年の調査によるとHIV感染者数は人口の約5.4%(360万人),AIDSによる死者は2002年には20万人と推定され,感染拡大防止は重要な課題です。しかし,ナイジェリアのHIV/AIDSに対する医療サービスの現状は,予防・治療・ケアの包括的なサービスとしては不十分で,適切な検査・カウンセリングや予防活動がいまだ十分に普及していません。そのために,さらなる感染を起こす危険性が高くなっています。
これを踏まえ,JICAからの委託をうけた本研究科は,フェーズIとして2002年度から3年間,拡大防止対策およびVCT(Voluntary
Counseling and Testing)の重要性の理解を目的とした研修を実施。2005年度からはフェーズ II として,感染リスクを減少させる具体的な方策を学ぶことを目的とした研修を行ってきました。今回はフェーズIから数えて5回目の開催です。
研修は本研究科・国際保健医学分野,玉城英彦教授の監修の元に企画・運営が行われました。本学のみならず全国から招へいした専門家による,HIV/AIDS対策の日本の現状に関する講義や,関連機関や高齢者施設の訪問など日本国内の保健活動について視察する機会が設けられました。研修生は,このコースを通じて日本の状況を学びつつ,自国のHIV対策のプランを作成,発表,討論しました。
9月4日(月)には,医学部第一会議室にて閉講式が行われ本間研一研究科長ほかのあいさつの後,研修員代表から有意義な研修であったとの謝辞が寄せられました。エンレイソウでのフェアウェルパーティでは,研修生がアフリカンミュージックとダンスを披露,スタッフもその輪の中に自然と吸い込まれてゆきました。
積極的かつ楽しみながら学んだ研修生8人は帰国後,各自の職域において,今回の研修成果をナイジェリアの行政や医療に生かすことが期待されています。
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講義風景 |
医学研究科前にて玉城教授と研修員 |
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(医学研究科・医学部) |
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