水産科学研究院でジュニア・サイエンス教室「イカと遊ぼう!−イカ墨でオリジナルTシャツを作ろう−」を実施 |
水産科学研究院では,大学等開放推進事業として毎年子どもたちを対象とした科学に親しみを持つ企画を開催しているところですが,今年は,8月14日(月),市内および近郊の小・中学生とその家族を対象としたジュニア・サイエンス教室「イカと遊ぼう!−イカ墨でオリジナルTシャツを作ろう−」を実施しました。
当日,北大函館キャンパス内に今春開設した函館市産学官交流プラザの会場には,小・中学生24名とその家族の合計35名の参加者が集まりました。原彰彦研究院長から歓迎あいさつの後,桜井泰憲教授から実施内容の説明を行い,実験室に移動しました。
まず,参加者はイカめし作りに挑戦しました。用意していたイカにもち米を詰め,つまようじで閉じるところまでを参加者が行い,職員がイカめしを閉会時までに調理し,参加者のおみやげになりました。
次の挑戦は,「生きたイカに触れよう!イカのからだのしくみを学ぼう!」で,桜井教授からイカの体のしくみについての説明があり,参加者はイカの泳ぎ方,墨の出し方,口や吸盤の構造などを,今朝水揚げされたばかりの活イカに触れながら確かめました。そして,参加者自身がイカの解剖にも挑戦し,大きな肝臓,えら,3つの心臓,墨袋などを観察しました。慣れない手つきで解剖バサミを使ってイカを解剖したり,イカの青い血液をはじめて見たりと,参加者はとても新鮮なおどろきを経験しました。解剖が終わった後,参加者の1人で郷土料理店を開いている方が,イカ刺し作りを実演し,その手際の良さに参加者は感嘆,そして,できあがったイカ刺しをたん能するというおまけまで付きました。
午前中の最後のメニューは「イカ墨でオリジナル・Tシャツを作ろう」でした。彫刻家の平方亮三さんを講師に招き,まず,イカ墨を使ったTシャツの作り方の説明の後,参加者はそれぞれおもいおもいの絵や,大胆なデザインを,イカ墨をたっぷり含んだ筆をつかってTシャツに描きました。イカ墨のセピア色が,子どもたちが上手に描いた絵をより味わい深いものにし,スタッフがアイロンをかけオリジナル・Tシャツを完成させました。
昼食後,参加者とスタッフの全員がイカのポーズで記念写真を撮影した後,函館キャンパス内にある水産資料館を訪れ,クジラの全身骨格標本,トドのはく製標本,サメやアンコウの水槽展示,和船模型,べっ甲製品,貝細工品などの展示品を見学しました。
こうして,無事ジュニア・サイエンス教室が終了し,参加者は完成したTシャツ,イカめし,そしてプリントしたばかりの記念写真をおみやげとして持ち帰っていきました。参加者アンケートには,ほとんどの方が「期待していた以上に楽しかった」と答えていました。
今回のジュニア・サイエンス教室は,北方生物圏フィールド科学センターが主体となり現在実施している現代GP「北方圏フィールドを中心とした環境及び社会教育」の中で,本研究院が担当する「新・海洋水産業創生シーズ教育プログラム」の取組「The
イカ」の企画の1つとしても位置づけ,函館市などの後援のもとに実施しました。また,開催日当日には,多数の報道取材があり,テレビニュースや新聞記事にも取り上げられ,予想以上の反響がありました。本研究院では,今後も,このような地域に密着した大学等開放事業を展開していきたいと考えております。
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イカ墨でTシャツ作りをする参加者 |
イカのポーズで記念撮影 |
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(水産科学院・水産科学研究院・水産学部) |
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