北海道大学病院で平成19年度看護職員採用面接を実施 |
北海道大学病院では,平成19年度から看護職員を大幅に増員するため,大々的な募集活動や採用面接を実施しました。
本院では,例年,約60〜70名の看護職員を新規採用していますが,診療報酬が改正されたことから,次年度は,約210名の看護職員(任期付き常勤職員)を新規採用する予定です。そのため,看護職員採用のためのホームページをリニューアルするとともに例年になく広範囲に計画的な募集活動を行いました。7月には看護学部を設置する全国の大学,看護学校等へ募集要項やパンフレットを送付し,北見市や紋別市等の道内をはじめ,青森県,岩手県の大学で行われた就職説明会に参加しました。また,札幌市内の地下鉄やJR等に車内広告を掲示することも初めて実施しました。8月には病院施設見学・就職説明会,一日職場体験を開催しました。一日職場体験では,先輩看護職員から直接体験談を聞くことで就職後のイメージができ,不安や疑問が解決できたと良い評価をいただきました。
このような結果,約350名以上の応募者があり,8月から10月にかけて,札幌市,東京都で採用面接を実施しました。全国的に看護職員の増員に拍車がかかり不足することが予測される中で,本院が多くの応募者を得る事ができたことは,病院職員のチームワークと職員一人一人の地道な広報活動が功を奏したと言えます。
本院は,急性期医療を中心とする高度の医療を提供する医療機関として,医療法で定める特定機能病院に指定され,936床の病床を有し,入院患者数10人に対する看護職員1人の勤務体制をわずかに上回る基準(看護職員配置基準10対1)で看護職員を配置し,看護業務を行っています。高齢者や症度の高い患者の増加,在院日数の短縮,病床回転率の向上等による業務量が増加する一方,中途退職者や病気休業者の増加,年次有給休暇取得の減少などもあり,看護職員の労働環境は,他の特定機能病院と比べて必ずしも良い状況にあるとはいえません。
今回の募集人員である約210名の新規採用の看護職員が確保されれば,入院患者7人に対し看護職員1人の勤務体制(看護職員配置基準7対1)となり,労働環境が改善され,従来の「基準を満たす数の看護要員を配置した体制評価」から,「一定以上の密度で看護が提供されたことの評価」への転換が可能となります。各勤務帯に配置する看護職員の数は,入院患者の重症度・看護必要度等実情に合わせた適正配置数が確保されることになります。具体的には,患者40人に対して看護職員が2人夜勤から3人夜勤体制を実施することが可能となり,医療安全及び患者ケアの向上が可能になり,より一層インフォームド・コンセントを重視し,個別性を尊重した患者中心の医療・看護が提供できます。また,看護職員のキャリア開発の面においても,労働環境が改善されることにより,結婚や育児等で退職することなく仕事が継続できれば,優秀な人材確保につながり,専門性の高い看護職員を育成できる環境が整うと考えます。
今後も本院は,急性期医療を中心とする高度の医療を提供する特定機能病院として患者主体の安全・安心の医療・看護を提供していくため,看護職員の質・量を確保していく努力を続けていきたいと考えています。
(注)
急性期医療:
病気の発症から病気の進行が止まり回復してくる時期までの医療
特定機能病院:
高度の医療を提供し,高度な医療に関する研究・開発・評価・研修等の機能を有する医療機関 |
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就職説明会の様子 |
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(北海道大学病院) |
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