欧州連合のIntegrated
Project:ACGT(Advancing Clinico-Genomic Trials on Cancer)に情報科学研究科の田中譲教授のグループが正式メンバーとして参加 |
欧州連合では,1984年以来,総合的研究開発政策としてフレームワーク・プログラムが1期5年で遂行されており,2002年から2006年が第6期になります。研究開発プロジェクトの様態はIntegrated Projectや Network of Excellenceなど5種類あり,Integrated Projectは特に大規模なリソースを投じる大型研究開発プロジェクトです。情報学と数学に関するプロジェクトはすべてERCIM(European Research Consortium for Informatics and Mathematics)がプロジェクト・コーディネータを務めています。ACGTはガン臨床遺伝子治験のためのIT技術基盤の革新的進展を目指すもので,ERCIMがプロジェクト・コーディネータを務め,ギリシャのクレタ島にあるFORTH研究所がサイエンティフィック・コーディネータを務めます。期間は2006年2月から2010年1月の5年間で,16,747,206ユーロ(内11,800,000ユーロが欧州委員会からの助成)が投入され,オックスフォード大,ルンド大,アムステルダム大をはじめとする25チーム(欧州連合外は北海道大学のみ)が参加しています。既にプロジェクトは始まっていますが,この度,本学総長とERCIMの間で正式な同意書が交換されました。本学は16のワークパッケージの内,5つに参加しています。ACGTでは,臨床遺伝子治験における診断と治療に有効な知識の発見を,地理的・論理的にばらばらに分散している各種データベースや解析ツール,シミュレータなどを,開放型GRIDコンピューティング技術と,オントロジーを始めとするメタデータ技術により連携統合し,総合的に支援する統合システム環境基盤を確立することを目指しています。この目標達成の一端に,田中譲教授が研究開発を進めてきた知識メディア技術と知識連携技術の成果を拡張適用することが期待されています。欧州連合と日本の間には研究助成に関する協定が無いため,研究費の配分はありません。このため,田中教授グループは日本学術振興会の先端研究拠点事業拠点形成型に応募し,2006年度から2年間の助成に採択されています。
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2006年2月のキック・オフ会議の参加者(ERCIM(仏)にて) |
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(学術国際部国際企画課) |
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