大学文書館で川嶋一郎関係資料,半澤洵関係資料を受贈 |
大学文書館では,6月11日(月)に川嶋一郎関係資料を川嶋昭二氏(ご子息)から,6月25日(月)に半澤洵関係資料を半澤直子氏(ご子息半澤道郎夫人)から,寄贈いただきました。
川嶋一郎(1880〜1976)は,1902(明治35)年札幌農学校予修科を卒業,同校本科に進学しました。本科では,橋本左五郎教授のもとで畜産学を専攻し,第23期生として1906(明治39)年に卒業,農商務省月寒種牛牧場の技手となりました。
この度,受贈した川嶋一郎関係資料は,日記3点,アルバム1点,書簡類15点など31点です。例えば,札幌農学校在学中の日記(1903〜04年)では,当時の講義・試験・実習のほか,遠友夜学校教師としての活動,教師仲間の足助素一,逢坂信 ,半澤洵などとの交友も記されており,農学校の学業生活と課外活動がうかがえます。
半澤洵(1879〜1972)は,1897(明治30)年札幌農学校予科を卒業,同校農学科に進学しました。農学科では,宮部金吾教授のもとで植物病理学を専攻し,第19期生として1901(明治34)年に卒業,同校研究生を経て,翌年助教授に就任しました。
受贈した半澤洵関係資料は,日記類3点,講義ノート2点,原稿7点,スケッチ類4セットなど約100点です。例えば,手稿には,初著『雑草学』(1910年)の原稿と,挿画の原画があります。第一図「たんぽぽ」を見ると,刊本では白黒印刷ですが,原画では半澤により彩色が施されていることがわかります。
また,在学時代のスケッチブックや,飯沼慾齋著『草木図説』(1874年,増訂版)などからの精緻な彩色模写もあり,半澤が植物画の技巧を研鑽していた様子がうかがえます。
今後,これらの受贈資料については,大学文書館において目録を作成し,覆刻・複写を行なうなど,学術研究資料として広く活用できるようにいたします。 |
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遠友夜学校教師をつとめた札幌農学校学生たち(1904年)
後列左から川嶋一郎,河内完治,竹田茂 前列左から末光績,池田競,足助素一 |
「たんぽぽ」の原画 |
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(大学文書館) |
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