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スラブ研究センター公開講座「拡大する東欧」が終了

 スラブ研究センターは「拡大する東欧」という表題のもと,今年も恒例の市民講座を5月14日(月)から6月4日(月)にかけて合計7回,開講しました。定員80名を越えて,84名の受講者があり,歴史,文化,政治経済,言語,社会など多岐にわたる東欧の「いま」について講義が行われました。
 東欧で半世紀続いた社会主義時代に終止符を打った1989年革命から,20年近くが経過し,今年は2004年の第一波八カ国(エストニア,ラトヴィア,リトアニア,ポーランド,チェコ,スロヴァキア,ハンガリー,スロヴェニア)に続いて,ルーマニアとブルガリアが欧州連合(EU)への加盟を果たしました。もっとも数百年単位で歴史を振り返って見ると,欧州政治が東へ西へと動くのにあわせ,東部ヨーロッパも左往右往ヽヽヽヽの連続でした。ロシアや西欧がこの地域をどう認識し,どう扱おうとしたのかを抜きにして,東欧地域を語ることはできません。しかし他方で,もう一度地域研究の原点に立ち戻って,地域の人々が自分たちをどう認識していたのか,歴史の節目節目に地域の人々が自分たちをどう作り直そうとしたのか,内と外との関係を人々がどのように結びつけようと,あるいは切り離そうと考えたのか,東欧というのはいったい何処から何処までなのか,こうした問題を歴史と文化を中心に問い直すことは,地域を知る上で基本の基本です。
 幸いにもスラブ研究センターは2003年から大型の研究助成を受けて,大学院を終えたばかりの優れた人材を全国から募り,若手研究者として研究に専念できる環境が整備されています。今回の公開講座では研究の最先端にいるこうした若い力も積極的に取り込んで,国を横並びにしたいままでのやり方とは違う東欧論を目指しました。7回の講演論題と講演者は以下の通りでした。
第一回 「『東欧』への眼差し−戦略としての地域」(センター教授,林忠行)
第二回 「ディアスポラの聖地:ウクライナで復活したユダヤ人巡礼から見えてくるもの」
(センター学術研究員(COE研究員),赤尾光春)
第三回 「国家と宗教:旧ユーゴスラヴィアの例」
(センター2006年度鈴川基金奨励研究員,東京大学大学院,長島大輔)
第四回 「異国の中の祖国:ブルゲンラント・クロアチア人の過去,現在,未来」
(センター客員研究員,京都大学教授,三谷惠子)
第五回 「戦争と原発事故とベラルーシ人の国民形成」
(センター学振特別研究員,越野剛)
第六回 「ヨーロッパの『一員』か『隣人か』:ウクライナ・アイデンティティの歴史的変遷」
(1998年度鈴川基金奨励研究員,明治大学講師,光吉淑江)
第七回 「消滅,それとも拡大する東欧」(センター教授,家田修)
プロジェクターを使って講義をする越野研究員 熱心に聴き入る受講生
プロジェクターを使って講義をする越野研究員 熱心に聴き入る受講生
挨拶をする松里スラブ研究センター長  
挨拶をする松里スラブ研究センター長  
(文責:スラブ研究センター教授 家田修)

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